今回の一流ホテル衛生問題はスタッフ個人の職業倫理の問題だと指摘する声がある。各ホテルでは清掃スタッフが任意の判断でできる部分を極力減らし、マニュアルをより細かくした。これまで宿泊客が使用していないコップは水だけで洗っていたこともあった。あるホテル関係者は「タオルなど毎回洗う必要がある備品はすべて回収し、中央洗浄センターで作業した後、担当に渡している。特にコップについては洗った後、密封して配置することも検討している」と明らかにした。このホテルはコップの数を従来の8000個から1万個に増やした。客室のすべてのコップを一度に洗っても不足しないようにしたのだ。客室内の備品の汚染度を測定する機械を新たに購入し、毎日洗えないカーペットや家具についても汚染度の適正基準を作成している。
また別のホテルでは、各階に殺菌乾燥機を置くことにした。コップやティースプーンなどの食器を別の場所で洗浄して各階に届けた後、乾燥させる予定だ。ホテル側は「浴室用清掃用具箱とトイレ用清掃用具箱を分け、清掃過程も重ならないようにする」と話している。
今回の報道をきっかけに問題となったホテル以外でも衛生マニュアルを変更している。ソウル市内の一流ホテル10カ所に連絡したところ、9カ所でマニュアルを再整備したり、スタッフ・設備などを補強したりしていた。ホテルの衛生問題が報道されて以降、「このホテルは大丈夫なのか」という問い合わせが相次いでいるためだ。
ソウル市内のある5つ星ホテルの関係者は「『どのように掃除しているのか』『全体的な清掃の流れを教えてほしい』というお得意様からのお問い合わせ電話が頻繁にかかってくる。ガイドラインや作業プロセス、改善された衛生マニュアルについてお伝えしている」と言った。ソウル市江南区内の5つ星ホテルは「このほど汚染度測定機器を新たに購入した。今後は週2回、食器・リネン・電話機などの汚染度をチェックする予定だ」としている。