元ホテル従業員「10年前も便器磨きスポンジでコップ洗った」

それでも、下請け業者を通じた採用が根本的な原因ではないという意見もある。海外勤務経験が多いあるホテル関係者は「先進国でも下請け業者を利用する所が多い。しかし、本社が監視・監督し、各ホテルも衛生チェックに多くの人材を投入している」と話す。

■衛生に対する投資を渋るホテル

 各ホテルが衛生施設への投資を適切にしていないという指摘もある。今回問題になったホテルでは、各階にコップが40個入る小型食器洗浄機を1台ずつ、合計15台備えている。客室に入れるコップ合計で約8000個。洗浄1回当たりの稼働時間は30分だ。満室だと仮定すると、すべてのコップを食器洗浄機で洗うのには7時間近くかかる。食器洗浄機の順番を待たずにすぐに清掃を終えようと、清掃スタッフは客室内でコップを洗うのだ。それを避けるには、別途に大型食器洗浄機を置き、コップを多めに確保しておかなければならない。あるホテル関係者は「大型機器を購入して配置するのには多大なコストやスペースが必要となるので容易でない」と語った。

 「豪華なインテリアにかかる費用の一部を衛生施設に回せばいい」という意見もある。韓国の各ホテルは最近、海外の有名デザイナーに内部設計を任せたり、高価な名画を購入してロビーを美術館のようにしたりするのに大金をかけている。2004年にオープンしたある一流ホテルは設立費用だけで3000億ウォン(約300億円)かかった。漢陽大学観光学部のイ・ヨンテク教授は「良いサービスは目に見えない過程から始まるのに、韓国のホテルは目に見えるものだけに重点を置いている」と批判した。

 問題となったホテルは今後の対策作りに乗り出した。あるホテルでは「従業員の定期衛生教育を月2回から4回に増やし、客室備品の清掃スタッフを別途確保する」としている。

ヤン・スンジュ記者 , ク・ボンウ記者 , ファン・ジユン記者
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