このような分析に対して、「被害の基準をあまりにも少なく見積もっている」という意見もある。1960年代の旧ソ連に比べ、現代は電子機器の使用範囲がはるかに広いからだ。西京大学電子工学科のチョン・ヨンチュン教授は「一般的な電子機器の場合、5-6kV/mレベルにさらされただけでも壊れるという実験結果もある。特に回路の長さが長いほど被害が大きくなるため、電力・通信網の場合は被害が大きい」と語った。ADDのシミュレーションによると、済州島を除く韓国のほぼ全域が5kV/mの範囲に入るという。
ウィリアム・R・グレアム元米国議会EMP委員会委員長は12日、米下院国土安全保障委員会の証言で、「(EMPから)保護されていない機器の場合、1kV/mよりもはるかに低いレベルのEMPにさらされても誤作動を起こしたり、壊れたりする可能性がある」と述べた。ダム・発電所・ガス管などのインフラに適用される遠隔制御装置は弱いレベルのEMPにさらされれても誤動作を起こし、水道水・ガスなどの供給がストップするということだ。このため、済州島を含む韓国全土がEMP弾の被害を受ける可能性がある。
北朝鮮は今年9月の6回目の核実験時、韓国に対するEMP攻撃の可能性に言及したが、韓国国内のEMP防護施設は一向に進歩していない。国防部(省に相当)が国会に報告した内容によると、韓国軍は当初、固定設備約400カ所についてEMP防護が必要だと見ていたが、現在まで計画が立てられているのは50カ所のみであることが明らかになった。李哲熙議員は「政府次元でEMP防護計画を全面修正し、EMP防護事業完了時期も大幅に繰り上げなければならない」と述べた。