新たに赴任した女の先生が教室に入ってくると、学校の一陣会(校内の不良グループ)の生徒一人が露骨にセクハラを始める。「先生、先生の胸はどうしてそんなに大きいんですか」「触ってもいいですか」。驚いた教員が「本当にお前たちときたら」と言ったまま、次の言葉が見つからず、そそくさと教室を後にする。子どもたちは一斉に拍手を送る。チョ・ジョンレ氏の小説『草花も花だ』に出てくる1シーンだ。作家は孫たちを育てながら崩れゆく公教育の現場を目の当たりにしたという。
少なくとも作家チョ氏の同世代にとって、先生とはそんな存在ではなかった。ソウル大学のパク・トンギュ名誉教授は、小学生時代の女性教員を次のように回想する。「ゴムの草履を買うことができず、友だちにいじめられ、校庭にも出ていくことができなかったが、先生が近づいてきて私の背中をさすっては、涙を流した」。また、ソ・ジョンジュ氏は『初恋の詩』で「私は12歳だったが、きれいな先生があまりにも大好きでした」と書いた。女性教員は、姉や叔母のような存在で、時には母のような方だった。
今では想像すらできないくらいに変わり果ててしまった。先日、大田のある中学校の教室で想像もできないような出来事が発生した。女性教員が教壇で授業している最中に、9人の生徒が自分の身体の一部を触って淫乱な行為をしていたというのだ。高校の男子生徒が女性教員の肩に手を乗せ「お姉さん、付き合おうよ」と声を掛け、中学の体育の時間には「先生、パンツを準備してきてください」という。今では小学生までが女性教員の机の上に「セックスしよう」といった文章をいたずらついでに書き残すという。韓国教員団体総連合会(韓国教総)に届け出された内容だ。