保険業界の関係者は「実はゴルフ場のパー3のホールでのCCTV設置は、保険詐欺よりも各ゴルフ場で実施されるイベントでの詐欺行為を未然に防ぐのが目的」と説明する。一部のゴルフ場は顧客誘致のためにホールインワン・イベントで海外航空券など1000万ウォン(約97万円)以上の景品を懸けることもあるが、これを狙って詐欺を働く人々が増えている、というのがゴルフ業界の話だ。ホールインワン保険よりも各ゴルフ場でのホールインワン・イベントの検証の方が手ぬるいこともあって、仮に見つかったとしてもゴルフ場のオーナーに泣き付くことで処罰を免れることができる、との点を狙うのだ。あるゴルフ場の関係者は「一緒にラウンディングするキャディーと組んだり、初めからキャディーまで欺いたりするケースもある」という。「8人でゴルフ場を訪れて4人ずつ2パーティーに分かれる。この2パーティーは続けてプレーするが、先にプレーするパーティーがパー3のグリーンのカップにボールをあらかじめ入れておき、次のパーティーがティーショットを行う際に、キャディーの気をそらせ、あたかもホールインワンしたかのようにごまかす」と説明する。
CCTVメーカーの関係者は「ゴルフ場には安全事故や自動車事故の確認のため、駐車場などに多くのCCTVが設置されている」という。ゴルフ場では毎年さまざまな安全事故が発生している。昨年3月に慶尚北道清道郡のあるゴルフ場では、池に落ちたゴルフボールを拾おうとした50代の男性が水に溺れて死亡した。各ゴルフ場は、このような事故を未然に防ぐため、危険地帯にCCTVを設置している。首都圏のもう一つのゴルフ場は最近、入り口と駐車場のCCTVを最新型のものに変更し、設置台数も増やした。同ゴルフ場の関係者は「高級輸入車のオーナーが代理の者に駐車させた後、車に傷が付いたとして補償を要求してきた。弊社に過失はないと判断したものの、以前設置してあったCCTVでは確認が容易でなく、そのまま弁償しなければならなかった」と肩を落とす。
ゴルフ場側は、地形をうまく利用して、顧客の目の届かない所にCCTVカメラを設置するようにしている。あるゴルフ場の関係者は「ゴルフ場を訪れた顧客たちの姿がCCTVの記録に残るといった印象を与えるのはあまり好ましくない」と話す。ゴルフ場でのCCTVの記録は、裏取引や不正請託の捜査のために頻繁に用いられる資料でもあるからだ。