路上放尿により、近くに居住する住民たちと酒酔い客の間の争いも頻繁に発生している。1月25日夜にはオフィステル(住居兼事務所)「シルバータウン」に住むキムさん(71)がオフィステルの入り口で路上放尿をしていたチュ容疑者(25)に「どうして他人の家の前で小便するのか」と指摘したところ、暴行に遭った。ソウル市瑞草警察所は、10分間にわたってキムさんに暴行を加え、全治5週間のけがを負わせた疑いで、チュ容疑者を起訴し、取り調べを行っている。ある住民は「物静かな住宅街にまで入ってきて路上放尿をしている。市民意識のかけらも見られない」と声を荒らげた。
路上放尿を「個人のせい」にしているわけにもいかないといった見方もある。江南大路の一帯に夜間の流動人口を収容することができる公衆トイレが足りないからだ。本紙の取材の結果、地下鉄2号線の江南駅から9号線の新ノンヒョン駅まで、江南大路の両側には地方自治体が設置した公衆トイレが1カ所も見当たらなかった。ビルのオーナーたちが瑞草区や江南区の支援を受けて市民たちが利用できるようにした「開放トイレ」が8カ所あるだけだった。しかし、このうち6カ所は午後11時ごろに全て閉鎖される。24時間運営される残りの2カ所は飲み屋が密集した地域から200-400メートル離れているため、利用は容易でない。また、8カ所の開放トイレのうち5カ所はビルの外壁に案内文が掲げられていない。このためトイレを利用したい人々は、数百メートル離れた江南駅にまで走っていき、地下道にあるトイレを利用する。