■政界の「渡り鳥」
小池知事は右翼色が濃い。「日本会議」「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」など右翼性向の強い議員の会のメンバーだ。東京都知事に当選した後、前任の知事が約束していた第二韓国人学校への敷地貸与を白紙化した。それでも能力を疑問視する声はほとんど聞かれない。小池知事は2003年、小泉政権のときに環境相として初入閣し、06年の第一次安倍内閣では防衛相に抜てきされた。自民党の党3役に女性として初めて選ばれ、自民党総裁選挙にも女性政治家として初めて出馬した。
小池知事は「政界の渡り鳥」としても知られる。民放テレビ局のキャスターを経て、40歳で参議院選に日本新党から出馬して当選。その後、2002年に自民党に落ち着くまで、24年間で6回も党籍を変更した。安倍晋三首相が06年の第一次安倍政権で小池氏を防衛相に抜てきしたが、6年後の自民党総裁選挙(2012年)では小池氏は土壇場で別候補の支持に回った。
■都民は小池都知事に熱狂
小池知事は5年前、雑誌のインタビューで「愛犬の名前は『そうちゃん』。『そう』は総理の『総』」と明かした。最終目標は総理官邸という話だ。専門家は「不可能な話ではない」との見方を示している。政治の世界で生き残るセンス、懸案を選り分ける目が卓越しているとの評価だ。
小池知事が近く「小池新党」を結成するのではないかとの話もある。自民党の党籍を捨てて新党を作る方法もあれば、自民党に籍を置いたまま独自勢力を構築するというやり方もある。朝日新聞・日本経済新聞は、「小池氏は政経塾で抜てきした人材を、来年の東京都議会選挙で自民党・民進党候補の『刺客』として大量に立候補させる可能性がある」と報じた。