■ポケモン成功の陰に「妖怪学」
ポケモン・フランチャイズの世界的な成功の裏には、日本で100年前から続いてきた「妖怪学」の土壌があると専門家たちは指摘している。日本では20世紀初めに妖怪学が学問として認められて研究が進み、現在も世界妖怪協会などが活動している。ポケモンのキャラクターは妖怪学を基盤に生まれたということだ。
実際に、ポケモンのバラエティ豊かなキャラクターは東洋古典『山海経』に登場する化け物や怪獣とよく似ている。例えば、ポケモンのキュウコンは九尾狐、ジュゴンはジョヒ魚、サワムラーは形天に似た風貌をしている。ポケモンはある日会議で偶然生まれたものではなく、昔の伝説と100年以上積み重ねてきた学問的な土台の上に現代的なストーリーを重ねて生まれた成果ということだ。マーケティング専門家のイ・ユジェ・ソウル大教授(経営学科)は「日本は1800年代から人文学に投資し、いわゆる『オタク』と呼ばれる人材を育て上げた。彼らが自国文化に関する豊富なストーリーテリングを生み出している」と説明する。
■「韓国のポロロ、世界的コンテンツへの成長は困難」
ポケモンの大成功が韓国に教えることは何だろうか。クォン・マンウ慶星大教授(デジタルメディア学部)は、日本は妖怪を徹底して学問化してポケモンを生み出したとし、『となりのトトロ』(1988)や『千と千尋の神隠し』(2001)など世界で認められたコンテンツの場合は、日本の説話や民話など人文学のコンテンツを組み込み、ストーリーも緻密で世界の人々から共感を呼んだと説明した。その上で「韓国も民話や説話など『奇抜な』題材を学問分野として認め、長年支援してこそ、ポケモンのような『キラーコンテンツ』を生み出すことができる」と指摘した。
日本動画協会によると、日本のアニメ産業規模は2015年に1兆6300億円に達した。クォン教授は「韓国も(ペンギンの)『ポロロ』のように成功したキャラクターがあるが、人文学的な基盤のない純粋な創作物に近いため、ポケモンのようなロングセラーの世界的コンテンツにはなかなか成長できない」と説明した。チェ・ヨンヒ釜慶大教授(国文科)も「冒険的で珍しい研究分野への支援システムを確立し、研究を長期的に支えてこそ、いつの日かポケモンのようなコンテンツを開発できるだろう」と話している。