主にクレジットカードで支払われる割り勘の拡散には、飲食店のオーナーたちは頭を抱えている。ソウル市瑞草区瑞草洞の近くでスンドゥブ専門店を経営するハンさん(65)は「昼食時のお客さんは同じ時間にやって来て、一度にどっと出ていくが、料理を作ってお出しする時間に各自別々に支払うと言って列を作っているのを見ると、イライラしてくる」という。
一部の飲食店は「個別のカード決済は不可」という方針を打ち出している。食事代を支払おうとする顧客で飲食店の入り口がごった返しているのを見て、食事にやって来たものの帰ってしまうお客さんがいるためだ。ソウル市中区明洞にあるチムタク(鶏の甘辛煮)料理店は先月、レジの前に「個別決済は不可」という案内文を掲げた。同飲食店の主な顧客層である20-30代のうち、約80%がカードで割り勘をしている。従業員のパクさん(44)は「『どうして決済方式を勝手に決めるのか』『カード決済できないようにするのは不法ではないか』と抗議するお客さんが多いが、数十人が殺到する昼食の時間帯に別個に支払うお客さんたちが多く、苦心した揚げ句に下した決断」とその内幕に触れた。
会計の際に各自注文した料理の種類と値段を確認するのが容易でないと感じた一部の飲食店は、自己救済策として注文と会計の方法を刷新している。ソウル市麻浦区合井洞のキムチチゲ専門店は、300万ウォン(約27万円)を投じて飲食店の入り口に食券の自動販売機を設置した。お客さんがメニューを選んでカードで決済した後、発給された領収証を店員に渡す仕組みだ。オーナーのキムさん(49)は「来る日も来る日も昼食時の会計戦争に追われるため、従業員をもう一人雇わなければならない状況だった。機械は高いが従業員をもう一人雇うことを思えば安上がり」と話した。