しかし、検察の発表内容は全く違っていた。検察関係者は「駐韓米国大使館を通じて確認したところ、チェルシー・リーとその父と言われるジェシー・リー氏の出生証明書は米国の機関で発行されたものではなく偽造文書だった。チェルシー・リーが父親だと主張していたジェシー・リー氏は実際には存在しない人物だと見られる」と述べた。
チェルシー・リーの「韓国人祖母」とされる女性は、実際に米国に居住し、1979年に死亡した人物だった。しかし、この女性とチェルシー・リーは何の関係もないというのが検察の説明だ。検察関係者は「韓国人祖母とされている女性の遺族から『チェルシー・リーという人のことは全く知らない』との回答を得た。インターネットでこの女性の死亡証明書を見つけてダウンロードした後、ジェシー・リーという架空の父親を作り上げたと推定される」と言った。チェルシー・リーが他人の死亡証明書を利用して韓国系だと称する書類をでっち上げたということだ。
検察は「チェルシー・リーが文書を偽造し、その文書を使用する際に、所属チームKEBハナ銀行が加担したという証拠は見つかっていない」とも言っている。KEBハナ銀行は謝罪文で、「今後はチェルシー・リーとチェルシー・リーの代理人に対して厳しい法的措置を取る考えだ。最終捜査の結果、文書偽造が判明したら、チャン・スンチョル球団オーナーが道義的責任を取って辞任する」と明らかにした。
一方、チェルシー・リーとその代理人は現在、米国に滞在しており、検察の出頭要求に応じていない。検察関係者は「米国の刑事司法協力を要請した」と話している。