国連の統計によると、韓国の1950-84年の出生性比は107で、世界平均(106)をやや上回る程度だった。だが85-95年には114に上昇し、世界で初めて男児が女児より10%以上多い国となった。嶺南大のキム・ハンゴン教授はこれについて「政府が家族計画を強く推進し、違法な人工中絶・流産に目をつぶっていたことも問題」と指摘する。一方、2010-15年の出生性比は中国が116で世界1位、韓国は105と大幅に低下した。
嫁不足現象は19年から6年ほどは落ち着くものの、25年から再び深刻になりそうだ。特に30-33年は結婚適齢期の男性が女性より20%近くも多くなり、「最悪の結婚難」が予想される。年下男性と年上女性の結婚、初婚男性と離婚した女性の結婚も大きく増えると見込まれる。少子化のあおりで結婚適齢期の人口そのものが急減し、それを上回るスピードで女性が減る結果だ。
■相手見つけられず…「性的暴力増える恐れも」
近ごろ一部でみられる極端な「女嫌い」は、性比不均衡による男性の挫折、すなわち男性超過現象が背景にあると専門家は指摘している。欲望の対象であり、弱い存在の女性が原因の挫折、怒りが女嫌いにつながり、また女性たちの男嫌いも招いているという。
低所得、低学歴の男性が結婚できないことも、大きな社会問題になりつつある。また、年間約3万件から約1万件に減少した国際結婚も、将来的に再び増えると予想される。ソウル大保健大学院のチョ・ヨンテ教授は「相手を見つけられない男性が暴力的になり、性的暴力や性病が増えることも考えられる」と指摘している。