旧日本軍慰安婦をテーマにした映画『鬼郷』と、日本植民地時代の詩人・尹東柱(ユン・ドンジュ)を扱った映画『東柱』が近ごろ話題を集めている。「歴史を忘れずにいよう」という自発的な声が、ともすれば埋もれてしまいかねない2本の映画をすくい上げている一方で、ランドセルブームに沸くのは矛盾しているようにも見える。
しかし、製品としてだけ見るとランドセルはとても魅力的だ。ちょっとやそっとの衝撃では損傷しなさそうな頑丈な印象があり、しかも品質に定評のある日本製だ。130年前のデザインの原形を保ちつつ、重さや材質だけを少し変えて伝統を固守している、代表的な「タイムレス・デザイン」(時代を超えて愛されるデザイン)だ。韓国にこんな学生かばんがあるだろうか。
ランドセルに宿る帝国主義の歴史を取り上げたのは、「だからこのかばんを使うのをやめよう」と主張するためではない。私たちが達成すべき「克日(日本を克服する)」課題の中には、日本製品に堂々と品質で勝つことも含まれていると信じているためだ。