年間1万5000人が自ら命を絶つ「自殺共和国」には、さらなる特徴が存在する。「精神病患者としてうわさされるくらいなら、いっそのこと死んだ方がまし」という、烙印(らくいん)が押されるのを避けようとする極端な心理だ。国内の自殺者121人のうち88%が精神状態に問題があったにもかかわらず、このうち15%しか定期的な薬物治療を受けていなかったことが判明した。精神科の専門医たちは「自殺率は経済協力開発機構(OECD)1位なのに、抗うつ剤の使用率はOECDの中で最下位という統計は同じ脈絡」とした上で、「うつ病の未治療」を韓国型自殺の主な類型として提示した。体裁を重視する文化が遺族に残っており、心理学的剖検に対する強い反感と抵抗として表れていると専門家たちは説明する。「衝動的自殺」の割合が高いために、間違った選択を阻むことができる確率も高い、というのが韓国型自殺に対する関係者たちの見解だ。
政府は、自殺の予防策を盛り込んだ第4次国民健康増進総合計画を今月中に発表する。当局の政策に先立って自殺予防を社会共同責任として認識しなければならない、と専門家たちは主張する。「自殺者の死のうとする意志を分析してみると、その意志が『生かしてほしい』という内面の叫びであるということを悟るようになる」というソ・ジョンハン心理剖検専門家の経験に耳を傾けるべきだろう。