今回の事件は今月8日、台湾独立に反対する台湾出身の歌手、黄安(53)がインターネット上で取り上げたことをきっかけに騒動となった。中国のネットユーザーはツウィを「台湾独立支持ではないか」と非難。中国当局はツウィの所属事務所JYPエンターテインメントによる中国での活動に制約を加えた。結局、ツウィとJYPのパク・チンヨン代表は15日までに中国に謝罪。ツウィは「中国は一つしかない。私は一貫して中国人であることを誇らしく思う」と話し、深々と頭を下げた。中国紙・環球時報は「台湾独立勢力に対する中国ネットユーザーの勝利だ」と伝えた。
これに対し、台湾では怒りが爆発した。ある台湾人女性はツウィの謝罪映像を見て、「IS(イスラム国)が人質を殺害する前に撮影した映像みたいだ。台湾は絶対に中国の属国ではない」と話した。
台湾の一部カラオケ店は騒ぎを起こした黄安の曲の提供を取りやめる方針だ。24日に台北市で開かれる「黄安糾弾」「ツウィ支持」のデモに参加するというネットユーザーは1万人を超えた。黄安は来月3日に台湾で記者会見を開くと表明したが、台湾人からは黄安の台湾入りに反対している。
JYPエンターテインメントのウェブサイトは同日、サイバー攻撃を受けて接続できなくなった。台湾紙タイペイ・タイムズによると、台湾にオンラインファッションメディア「ジャスキー」は、ツウィのマネジメント権をJYPから最高1億台湾元(約3億4900万円)で買い取ると提案した。