韓国人が早期に心停止を起こす現象について、救急医学科の心臓専門医は「50代の韓国人男性に早期に発生する心臓疾患は時限爆弾のようになっている」と分析する。急性心停止の最大の原因は、心臓の筋肉に血液を供給する冠状動脈が狭くなったり、詰まったりして発生する急性心筋梗塞だ。通常は動脈硬化・高血圧・糖尿病などの心筋梗塞リスク要因が積み重なった60代半ばに起こりやすいが、国立心筋梗塞症登録事業データによると、韓国人男性の心筋梗塞発生平均年齢は56歳だった。これは、日本人男性の心筋梗塞発生平均年齢65-67歳より10年若い。一方、韓国人女性は平均67歳で、日本とほぼ同じだ。
昨年発作を起こした韓国全国の急性心筋梗塞患者は8万3000人だ。このうち男性は75%を占めるが、50代が1万8515人と最も多かった。女性は加齢とともに増加し、70代が最も多い。急性心停止を引き起こす可能性がある不整脈(心拍数が不規則になる疾患)患者も昨年の場合、男性は50代が1万1676人と最も多かった。他国・地域では、不整脈は心臓機能が老化し、心臓病が悪化する60代後半から70代に多く発生するが、韓国人男性は50代に多い。
このように、韓国人男性は50代に心筋梗塞というリスク要因が早く発生、60代前半だとまだ社会活動が盛んであるため、病院以外での急性心停止が多いものと思われる。
ノ教授は「急性心停止患者の10人に7人は普段、自分に心筋梗塞症の傾向などがあることを知らないまま病院に搬送されてくる。慢性疾患のケアが不十分だったり、警戒不足だったりして心臓検診を受けず、過度のストレスや競争社会のプレッシャーなどにより若くして急性心停止が発生するものと思われる」と語った。事実、ソウル大学病院が心停止状態に陥って救急室に搬送されてきた43人に対し詳細なストレス検査をしたところ、13人が心停止発生前60日以内に著しい収入減少で深刻なストレスを受けていたことが分かった。
シン教授は「急性心停止がなぜ韓国人の間で比較的若い年齢に起こるのか、どのような状況・理由で起こるのか、広範囲な疫学調査が必要だ」と話している。