F35技術移転拒否、ロッキード・マーチンに責任を問わない韓国防衛事業庁

■無駄に11カ月過ごした韓国軍

 与党セヌリ党に所属するユ・スンミン議員は22日、国政監査で「(今年4月、米国政府が技術移転を不許可とした後)韓国軍は何もせず、8月になってから、国防部(省に相当)の長官が米国の国防長官に協力を求める公文を送った」と批判した。韓国軍当局は、昨年9月に契約を結んだ後、米国政府を相手に技術移転を受けるため特段努力もせず、11カ月を事実上無駄に過ごしたということだ。

■独自の技術開発の可能性には疑問

 韓国科学技術評価院(KISTEP)は2013年、国防部へ提出した研究領域報告書の中で「FX事業を通して中心技術の移転を受けられなかったり、開発費用の調達が困難になったりした場合、KFX事業を推進することはできない」という意見を示した。それでも、韓国空軍の鄭景斗(チョン・ギョンドゥ)参謀総長は、22日に鶏竜台で開かれた国会国防委員会による国政監査で「米国が4件の技術を提供しなくとも、KFXを開発する上で問題はない」と発言した。

 しかし、独自の技術開発をめぐっては懐疑的な見方が多い。KFX事業は、開発費8兆6700億ウォン(約8800億円)を含め、120機の量産におよそ18兆ウォン(約1兆8300億円)掛かると推定されている。中心技術を技術協力または独自開発で賄おうとしたら、さらに巨額の費用と時間を要することは避けられない。

 また、韓国空軍のチョ・グァンジェ企画管理参謀部長(少将)は「中心技術を韓国が独自開発した場合、ほかの装備との互換問題が発生しかねない」と語った。

チョン・ヒョンソク記者
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