日本アニメ『進撃の巨人』、上海に進撃できず

体制転覆描く日本のアニメ、上海映画祭で上映取り消し

日本アニメ『進撃の巨人』、上海に進撃できず

 中国・上海国際映画祭で日本の人気アニメ『進撃の巨人』劇場版の上映が予定されていたが、急きょ中止になった。英国BBC中国語版が16日、報道した。

 中国側が『進撃の巨人』の上映を中止した表向きの理由は「暴力性」と「扇情性」だ。中国文化部(省に相当)は8日、暴力性と扇情性が行き過ぎているとして日本のアニメ作品38作品を選定し、中国国内での放映を禁止したが、この作品はこのリストの17番目に挙げられていた。中国は同作品の劇場上映はもちろん、動画サイトで見ることも取り締まっている。このほかに『DEATH NOTE(デスノート)』『学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD』『PSYCHO-PASS サイコパス』など日本の人気アニメの多くが中国当局のブラックリストに入った。

 しかし、『進撃の巨人』は国際映画祭に出品されていただけに、上映可能だろうという見方が多かった。主催側はすでに上映を予告していた。米日刊紙ニューヨーク・タイムズは「この作品に中国は登場しないが、人間の軍隊が巨人政府を倒し、新たな政府を建てるというストーリーが中国の審査で歓迎されなかったのだろう」と書いている。中国は体制転覆を描く芸術作品に敏感だ。

 「『進撃の巨人』の作家は右翼的なのでは」とうわさされていることも上映禁止に影響したと言われている。作者の諫山創氏は簡易投稿サイト「ツイッター」の非公開アカウントで「朝鮮人は日本の統治のおかげで人口と寿命が倍になった。ユダヤ人に当てはまるとも思えない」と書き込んだという。また、「作品の登場人物の一人は日本の軍人がモデルか」という質問に「そうだ。そのような方をモデルにするのは恐れ多いことだ」と答えたとも言われている。BBCは「隔年で開催される上海国際映画祭は今年で18回目を迎えたが、行き過ぎた検閲のせいでアジアの他の国際映画祭よりも劣っていると評されている」と報じた。

 『進撃の巨人』は人を捕食する巨人の登場により人類が滅亡の危機にさらされた時代に、過酷な訓練を受けた少年兵たちが立ち上がり、復讐(ふくしゅう)するというストーリーだ。原作漫画は2009年以降、日本で単行本が4500万部以上売れている。韓国でも約55万部を売り上げ、劇場版アニメもヒットした。

北京=アン・ヨンヒョン特派員
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