今の韓日関係は史上最悪だとする評価に対しては「今よりもっと関係が良くなかった時期もあったが、民間と政府が共に努力して関係を正常化した。韓国も日本も、隣国が嫌いだからといって国をよそに移すことはできないではないか」と述べた。また「両国関係の改善は良識ある国民の常識だ」との考えも示した。
二階氏は韓日友好のシンボルとして、金忠善(キム・チュンソン)将軍を挙げた。金忠善将軍の日本名は沙也可(さやか)で、壬辰倭乱(文禄・慶長の役)で朝鮮に渡ったものの「戦いに大義がない」として朝鮮に投降し、帰化したとされている。二階氏は2010年、日本の民間団体による和歌山県での金忠善将軍の記念碑建立に助力し、記念碑に韓日友好を願う文章も残した。同氏は「韓国の政治家に会うとよく金忠善将軍に言及する。日韓が共感できる分野を探し、理解を広げていくことが重要だ」との考えを示した。
一方、旧日本軍の慰安婦問題を謝罪した「河野談話」と、植民地支配と侵略を謝罪した「村山談話」の見直しを求める声が自民党内で上がり、韓日関係の新たな火種となっていることについて、二階氏は「大多数の議員はそう考えていない。談話を見直すことはないだろう。政治家が争いの火種を探し、火をつけるようなことをしてはいけない」と、言葉に力を込めた。
隣国との関係を重視する二階氏を「親韓・親中派」と非難する人もいるが、同氏は「隣国との関係を悪化させる政治家が国民の信頼を得られるだろうか。30年以上政治に携わってきたが、他人のまねをしたり、誰かの指示を受けて政治をしたりしたことはない」と、自らの歩みに自信を示した。また、韓国の中国重視政策により日本で反韓感情が強まっているとの主張に対しては「韓国の外交政策に日本が干渉する必要も理由もない。日本、韓国、中国の協力と友好は言うまでもなく皆にとって利益になる」と強調した。