日本の代表的な文芸批評家・柄谷行人氏は、韓国の代表的な知性、李御寧(イ・オリョン)氏の著書『〈縮み〉志向の日本人』を選んだ。「この本が私に衝撃を与えた理由は、日本の特性を西洋や中国との差異を通じて導き出す談論が支配的だった時期に、それを韓国との差異を通じて見るべきだと主張していたから」「ぱっと目が覚めるようだった」と柄谷氏は書いた。亀山前東京外大学長は金芝河(キム・ジハ)の詩「不帰」を推薦し「朴正煕(パク・チョンヒ)政権に反旗を翻し、2度も死刑判決を受けた金芝河のことを考えると、体が凍り付きそうだった。韓国には、これほど強い人がいるのか!」という第一印象を告白した。
日本の知識人94人が推薦した韓国関連の図書は264種類に上った。随筆家の金素雲(キム・ソウン)が日本語に翻訳した『朝鮮詩集』『朝鮮童謡選』(7人)や、金芝河の詩・散文(6人)、尹東柱(ユン・ドンジュ)・柳岸津(ユ・アンジン)の詩(いずれも5人)、金重赫(キム・ジュンヒョク)(5人)、韓江(ハン・ガン)(4人)、黄晳暎(ファン・ソギョン)・申京淑(いずれも3人)の小説、イザベラ・バード・ビショップの『朝鮮紀行』や朴裕河(パク・ユハ)の『和解のために』(いずれも4人)などの推薦頻度が高かった。野間教授は「尹東柱、金芝河、李御寧などを除くと重複する本は特にないほど、推薦書の種類は予想よりはるかに幅広く、多様だった」と語った。
韓国の知識人46人も、137種類の本を推薦した。詩人・金洙暎(キム・スヨン)の詩・散文全集や、兪弘濬(ユ・ホンジュン)の『私の文化遺産踏査記』(いずれも4人)、詩人・李箱(イ・サン)の文学全集や、朴景利(パク・キョンリ)の『土地』、文学評論家キム・ヒョンの『韓国文学の位相』(いずれも2人)などが選ばれた。
最近は日本政府の歴史歪曲(わいきょく)問題など、右傾化の影響で韓日関係でも冷え込みの兆候が目立つ。しかし野間教授は「深いところでは、韓日の知識人が知的な連帯と交流の必要性を認識していると信じている。両国の間にこうした共感が存在するとき、より強い力を出すことができる」と語った。