(2)発生確率88%、東海地震が噴火誘発の可能性も
日本政府が「30年以内の発生確率は88%」と発表した東海地震が、隣接する富士山のマグマを刺激する可能性もある。地質学の「プレートテクトニクス」では、地球は10以上の岩盤(プレート)で構成されているとみている。年間数センチ移動するプレートとプレートがぶつかる境界で発生する地殻の破砕やねじれにより大規模な地震と津波が発生するという理論だ。富士山近くの駿河湾でフィリピン海プレートとユーラシアプレートがぶつかっているが、ここでは100-150年周期で東海地震が発生している。1707年に同地域で大地震が発生、その49日後に富士山が噴火した。日本政府は1854年のマグニチュード8.4の地震(安政東海地震)以降、160年間にわたり同地域で地震がないことから、確率から見て地震の発生が迫っているとして対策を講じている。
(3)富士山で異常現象頻発
日本人が「富士山は活火山だ」ということを実感したのは2000-01年、普段は1日20回程度だった低周波地震が100回以上に急増したときだ。低周波地震とは体感できないくらいの小さな地震で、マグマの活動が活発になることで発生する。東日本巨大地震以降、富士山の湖の水位が急に下がったり、温泉が吹き出して地割れしたりした現象も頻繁に見られたが、これもマグマ活動と関連があるという説がある。