韓国の科学技術衛星3号と宇宙ごみ(人工衛星の破片など)が、100メートルにも満たない距離にまで接近し、かろうじて衝突を免れていたことが分かった。
未来創造科学部(省に相当)と韓国科学技術院(KAIST)の人工衛星研究センターが14日発表したところによると、13日午後4時58分ごろ、アラビア半島上空600キロの地点で、科学技術衛星3号と旧ソ連の気象衛星の破片があわや衝突する危機に直面したという。科学技術衛星3号は韓国初の赤外線による宇宙観測衛星だ。278億ウォン(現在のレートで約28億6700万円)の費用を投じ、昨年11月にロシアから打ち上げられた。
KAIST人工衛星研究センターのカン・ギョンイン衛星応用研究室長は「科学技術衛星3号と宇宙ごみは、99メートルの距離まで接近し、かろうじて衝突を免れすれ違ったと推定される。幸いにも、13日午後9時18分、交信を通じ、衛星が正常に作動していることを確認した」と説明した。韓国の人工衛星が宇宙ごみと100メートル以内の距離まで接近したのは、1992年に韓国初の人工衛星「ウリビョル(われわれの星の意)1号」が打ち上げられて以来初めての事態だ。今回のように宇宙でほかの飛行体と100メートル以内の距離まで接近するのは、地上に例えれば、時速100キロで走行する2台の自動車が、2-3センチの距離にまで接近しすれ違うのと同じだ、と専門家たちは説明した。なお、米国国防総省の戦略軍統合宇宙運用センター(JSpOC)が12日、衝突の危険を感知しKAISTに初めて通告したときに予測した距離は44メートルだった。
カン室長は「今回衝突の危機に直面したことで、今後10年以内に宇宙ごみと衝突する可能性はほとんどなくなった。しかし、時間がたつにつれ、距離が次第に縮まり、結局衝突することも懸念される」と語った。現在、地球周回軌道に漂う宇宙ごみは、1センチ以上のもので50万個以上に上ると推定されている。