全国漢字教育推進総連合会の資料によると、高校教科書の索引に出てくる用語中、漢字語の割合は韓国史96.5%、社会92.7%、生物87.2%、物理76.2%、化学64.5%だったという。中学校の教科書では理科76.2%、数学81.1%、道徳91.4%だった。
高麗大学漢文学科のキム・オンジョン教授は「漢字を漢文の授業だけで教えている現行の教育課程では、全科目の教科書で語彙(ごい)のほとんどを占める漢字語を、英単語を覚えるのと同様、表音文字と意味を結び付けて覚えるしかない」と話す(アルファベットもハングルも表音文字であるため、文字を見て読むことはできるが、意味までは分からない)。仁済大学のチン・テハ碩座(せきざ)教授(寄付金によって研究活動を行えるよう大学の指定を受けた教授)は「そのほとんどが漢字語からなる知識用語を、ハングルで表記して学習するだけでは、耳学問による聞きかじりの知識になってしまう。その結果、話すときも自信が持てないし、文章を書いても正確さに欠ける」と指摘した。
■国語辞典を引くと余計に分かりにくい?
「よく分からない単語は辞書を引けばいいじゃないか」という一般的な意見に対しても「現在出版されている辞書を見ても、余計に混乱することが多い」という反論が聞こえてくる。成均館大学中国文学科のチョ・グァンジン教授は「新しい単語が出るたびに国語辞典を引く学生でも、辞書を見るともっと分からなくなることが多い」と語った。
例えば、地理の授業に出てくる「海溢(かいいつ)」(津波の意)という言葉の意味を国立国語院の「標準国語大辞典」で引くと、「海底の地殻変動や海上の気象の変化により突然、海水が大きく波立ち、陸地に流れ込むこと。またはそのような現象」となっている。辞書の説明を読むよりも、「海溢」という漢字の意味が「海が溢(あふ)れる」だという基本的な情報を知っている方が意味が理解しやすいことが分かる。
また、数学の教科書に掲載されている「楕円(だえん)」という単語を辞書で引くと、「平面上の二つの定点からの距離の和が常に一定な点の軌跡。定点と定直線からの距離の比が一定な点の軌跡で、この2定点を楕円の焦点と言い、定直線を準線と言う」と、まるで暗号のような説明になっている。しかし、「楕円」の「楕」が「細長い円」という意味だと知っていれば簡単だ。結局、漢字語の意味をきちんと教わっていないために遠回りしてやっとのことで理解に至るのだ。