韓国人と同じアジア文化圏の日本人たちは、韓国の飲食店で一番驚いたことについて、客が帰った後の光景を挙げた。昨年交換留学生としてソウルに来た東京外国語大学のナカニシ・サナリさん(22)は「韓国に来た最初の日、飲食店で客が帰った後のテーブルにタバコの空箱や(ティッシュ代わりの)トイレットペーパーが散乱していたり、汁がこぼれて汚れていたりしたのを見て驚いた。韓国の飲食店は『迷惑をかけてもいい所』なのかと思った」と言った。日本では客が食べ物をこぼすと、自らティッシュやナプキンでふき、1カ所にまとめてから店を出るそうだ。
また、外国人たちは「ほかの客に迷惑をかける韓国人のマナーも納得しがたい」と口をそろえた。毎日新聞の大貫智子ソウル特派員(38)は「禁煙の飲食店でタバコを吸うとわがままを言う客は理解できない。外交官などエリート層の人々でも『いいだろ?』と言って紙コップを灰皿にして吸っている」と言った。ラムさんも「隣の席の客が食事をしているのに、タバコの煙を吐きだしているのを見ると、もはや食事どころではなくなる。茶わんに吸い殻を捨てるのは本当におぞましいくらい」と語った。
ストラーダさんは「子どもが多い飲食店は韓国では避ける」とも言った。「子どもが走り回って大声で騒いでも韓国の親たちはきちんとしからない。米国では親が子どもを外に連れ出したり、トイレに連れて行ったりしてから厳しくしかり、『こんなに騒いだから今日は家に帰ってもテレビゲームはさせない』と罰を与える。公共の場でのマナーに関しては米国の親たちは厳しくしつける」とのことだ。
酔客が繰り広げる騒々しく殺伐とした風景は、たとえ韓国での生活が10年を超えていたとしても、外国人には違和感があるという話も出た。韓国の証券会社に勤めて10年になる英国人は「韓国の飲食店には酔っぱらいが本当に多い。酔ってツバを吐いたり汚い言葉でケンカしたりするのはヨーロッパでは考えられない」と言った。デンマークのオールボー大学経済学科を卒業した留学生ジャスパー・マドセンさん(23)は「店の中で『ここ早く(注文取って)!」という声は客が酔えば酔うほど大きくなり、店員を呼び出すベルも鳴りまくるようになる」と嘆いた。