太平洋戦争中、旧日本軍の神風特攻隊に主に使われた戦闘機は、当時の主力戦闘機「零戦」だった。その名前は「A6M零式艦上戦闘機」という正式名称に由来する。
機動力を高め、航続距離を延ばすため、操縦席や燃料タンクに防弾装置を設けず、自動消火装置も取り付けていたため「空っぽの飛行機」という別名もあった。これに対し米軍は、操縦士を保護する装置を強化した「ヘルキャット」を開発し、空中戦で零戦を圧倒した。
これは米日両国の戦争哲学を反映したものだ。操縦士の安全を徹底的に無視した零戦が、敵艦への自爆攻撃を行った神風特攻隊用の戦闘機に使用されたのは当然の結末だった。日本の軍国主義の象徴である靖国神社に併設されている展示館「遊就館」の1階には、この零戦が展示されている。