【コラム】なぜ中国サッカーは弱いのか

2002年のW杯で韓国代表監督を務めたヒディンク氏が、W杯を前に選手と取材記者に何度も強調していた言葉がある。それは「クリエーティブ(創造的)なプレー」だ。かつての指導者や先輩などが一方的に指導してきたプレーの殻を破り、選手自らがピッチで考えて存分にプレーすることを求めるものだった。ヒディンク氏が欧州に戻る際に朴智星(パク・チソン)と李栄杓(イ・ヨンピョ)を連れていったのは、彼らのクリエーティブなプレーを高く評価したからだろう。

 最近このクリエーティブを意味する「創造」という言葉は、韓国はもちろん中国でもよく話題に上る。中国の新しい指導部は少しばかり成長率を犠牲にしてでも、経済の構造改革を押し進める考えを持っているが、この過程で「創造」と「革新」を何度も強調するようになった。安い労働力でハイテク製品を模倣し、これを輸出するという成長のやり方はすでに限界に到達したと判断したからだ。問題は中国の政治、経済、社会、ひいてはサッカーに至るまで、今なお共産党による統制を受けているという点だ。これでは創造と革新がその威力を発揮する機会は少なくならざるを得ない。中国経済やサッカーが今後も発展を続けるには、中央による統制を少し弱める必要があることは、中国の政治指導者たちも理解している。しかし「混乱」に対する歴史的なトラウマがあるためか、統制を弱めることができないのが中国のジレンマだ。

北京=アン・ヨンヒョン特派員
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