■キノコ、イチゴは国産化成功
しかし、幸いなことに品種の「主権」を取り戻そうという取り組みがノリだけでなく、複数の農産物で成果を挙げている。年間18万トンが消費されるキノコの場合、エノキダケは日本、シイタケは中国と日本、マッシュルームは欧州や米国の菌種が使われていた。
エノキダケだけで年間10億ウォン(約8400万円)のロイヤルティーが支払われていたと推定される。しかし、農村振興庁は10年かけて菌種を改良し、2009年からは国産種のキノコが普及し始めた。10年に36%だった国産種キノコの割合は昨年は45%にまで高まった。同庁のコン・ウォンシク研究官は「昨年1年間で20億ウォン(約1億6700万円)以上のロイヤルティーを節約できたとみられる」と述べた。
イチゴは国産化に成功した代表例だ。04年に韓国で栽培されているイチゴ品種のうち国産種は4.6%にすぎなかった。それが12年には74%まで上昇した。大型スーパーでよく見掛ける「苺香」「雪香」という品種は韓国で開発されたものだ。飼料用トウモロコシも国産化の取り組みが始まっている。11年に使われた飼料用トウモロコシの種285トンのうち、国産は81トンにすぎず、70%以上を外国種に依存している。しかし、飼料の国際価格が上昇したことを受け、農村振興庁は昨年から国産品種の普及に努めている。
遅まきながら品種の開発件数も増加している。国立種子院によると、韓国の種子品種保護の出願件数は09年が547件、10年が574件、11年が587件、12年が606件と増加傾向にある。
国立種子院のイ・スンイン研究官は「韓国の気候は亜熱帯から寒帯まで多様で、開発に使える品種の種類は多い。ただ、外国に比べ育種の歴史が短く、企業規模が小さいため、積極的な支援が求められる」と指摘した。