「トムおじさん」はやはり親切だった。映画『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』(15日公開)のPRのため、2日に韓国を訪れた世界的なスター、トム・クルーズ(49)は同日夜、ソウル・永登浦の「タイムスクエア」で行われたレッドカーペット・イベントで、2時間にわたりファン約2000人が「○○して」という願いに全て応えた。「肩を組んで」と言われれば喜んで肩を組み、「写真を撮って」と言われれば一緒に撮って握手をした。ペンと紙を差し出されると、一人一人にサインをする。あるファンが「友達に話し掛けて」と言って携帯電話を差し出すと、快く電話を受け取り、直接相手と話した。
今回の来韓はトム・クルーズにとって5回目となる。以前訪れたときもファンと一緒に写真を撮るなど、世界的なトップスターらしからぬ親しみやすさで「親切なトムおじさん」との愛称で呼ばれている。
この日のイベントは屋外20メートル、屋内80メートル、全長100メートルのレッドカーペット上で2時間にわたり行われたが、一歩移動するのに1分以上もかかった計算になる。映画のヒロイン、ポーラ・パットン(35)とブラッド・バード監督(54)も一緒に登場した。レッドカーペットが敷かれた建物の1階はもちろん、2-5階の手すりまで大勢のファンや見物客でいっぱいになり、歓声を送った。大混雑による事故を懸念した主催者側は警備員を200人配置した。
トム・クルーズはこの「異例尽くし」のファンサービスを自ら要望したという。同イベントを主催したCJ E&Mによると、トム・クルーズは来韓前に「以前韓国を4回訪れた際、主にメディアと接したが、今度はファンの人たちに直接会いたいので、レッドカーペットで2時間は過ごしたい」と希望したという。しかも「寒くても構わないから、屋外でもファンに会いたい」と語ったそうだ。
トム・クルーズは同日午前0時30分に仁川国際空港に到着した際も、歓迎のため出迎えた女性ファンが突然ハグをしても、慌てず落ち着いた様子でハグに応えた。
レッドカーペット・イベント前、トム・クルーズはソウル市竜山区のホテルで、韓国メディアとの記者会見に臨んだ。写真撮影のためステージ上のテーブルを自分で移動させるなどした際、記者が「韓国人ファンはあなたのことを『親切なトムおじさん』と呼んでいる」と言うと「そのニックネームをとても気に入った。ありがとう」と答えた。
「『ミッション:インポッシブル』シリーズにはいつまで出演するのか」と質問されると、トム・クルーズは「100歳になったら引退を考えるよ」と語った。同シリーズは1996年に第1作が公開され、今回はシリーズ第4作になる。初回から15年の歳月が流れたが、トム・クルーズは今も危険なアクションシーンを体当たりでこなしている。今回もドバイにある世界一高いビル「ブルジュ・ハリーファ」の壁を登るシーンを、スタントマンなしで撮影に臨んだ。「親切なトムおじさん」は同日夜、韓国を離れた。