京セラ稲盛名誉会長「JAL引き受ける」

退職者年金削減の同意取り付けに成功
株価7円で取引終了


 日本を代表する航空会社、日本航空(JAL)の13日の株価(東京株式市場)はたったの7円。日本航空の株価は、日本政府が同社について100%減資、上場廃止後に会社更生法手続きに入る方針を決定した翌日の12日に37円まで急落したが、この日は紙切れ同然になってしまった。

 しかし、「7円の悲哀」が伝えられた同日、一筋の光となるニュースも報じられた。「生きた経営の神」として知られる京セラの稲盛和夫名誉会長(77)が、企業再生支援機構から要請されていた日本航空の最高経営責任者(CEO)就任を引き受けたことだ。稲盛名誉会長は松下電器(現・パナソニック)の創業者である故・松下幸之助氏、本田技研工業の創業者である故・本田宗一郎氏と共に、日本人が最も尊敬する企業家3人に挙げられる人物だ。稲盛会長は13日、鳩山由紀夫首相による日本航空CEO就任要請を受諾したことを明らかにした。

 稲盛会長は1959年、京都で職員8人からなる京セラを設立、2008年グループ全体の売り上げは11兆8000億円と、世界的な電子部品企業に育て上げた人だ。企業家の哲学を重視し、最高経営者の座を退いた後は仏教に帰依したこともある。種無しスイカを作った禹長春(ウ・ジャンチュン)博士の婿養子でもあり、韓国でもよく知られている。

 稲盛会長が今回日本航空のCEOを引き受けたのは、現民主党政権指導部との長い付き合いのためだ。日本の財界では珍しく、野党だった民主党をずっと支援してきた。特に、小沢一郎幹事長とは親しい間柄といわれる。現在、日本財界有力者のうち政権に対する影響力が最も大きい人物に挙げられる。今月11日、鳩山由紀夫首相が直接CEO就任を要請した。同氏がCEOを引き受けるということだけでも日本航空にとって大きな助けになるものと業界ではみている。

 一方、現役社員らはもちろん、退職者の年金を削減することに成功したのも、日本航空にとっては大きな助けとなる見込みだ。日本航空は12日、退職年金受給者の3分の2以上となる5991人から「退職年金削減同意書」を受け取るのに成功した。対象者の3分の2以上の同意を得られれば、企業年金法の規定を満たし、削減が可能となる。

 これにより、会社側は年金受給者の年金を30%前後削減できるようになった。退職後の年金を53%削減するという会社側の提案に対し、すでに現役社員の90%以上が同意書を提出した。

 日本のメディアはこれについて、新旧社員らが「法廷紛争の道」ではなく「負担分担の道」を選んだ、と前向きに報じている。

東京=辛貞録(シン・ジョンロク)特派員

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