韓国の憲法裁判所では尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領に対する弾劾審判の宣告を今月4日に行うと決めた。昨年12月14日に弾劾訴追案が国会で可決されてから111日目となる。遅くなったとはいえ、結論が出ることになったのは幸いだ。どのような決定が下されるかは分からない。はっきり言えるのは、どのような決定が下されようとも、これを対立と混乱の始まりではなく、終わりにしなければならないということだ。
昨年12..
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韓国の憲法裁判所では尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領に対する弾劾審判の宣告を今月4日に行うと決めた。昨年12月14日に弾劾訴追案が国会で可決されてから111日目となる。遅くなったとはいえ、結論が出ることになったのは幸いだ。どのような決定が下されるかは分からない。はっきり言えるのは、どのような決定が下されようとも、これを対立と混乱の始まりではなく、終わりにしなければならないということだ。
昨年12月の非常戒厳令宣布と弾劾訴追以降、与野党はもちろん、韓国中が弾劾で賛否に二分される深刻な対立状況に陥っている。最大野党・共に民主党が韓悳洙(ハン・ドクス)大統領権限代行を弾劾訴追して「代行の代行」体制に移行し、前例のない国政混乱と空白状態が発生した。そうした中、トランプ米大統領による強引な米国第一主義政策と安保状況の変化で、経済・安保危機はますます深刻化している。今回の憲法裁判所の宣告を機に、国政を正常化しなければならない。
そのためには、今からでも尹大統領と李在明(イ・ジェミョン)共に民主党代表、与野党とも、憲法裁判所の決定に無条件で承服するという意思を明確に示すべきだ。既に憲法裁判所の決定は下されていると考えなければならない。承服であれ不服であれ、何も変わらない。それなら、承服の意を明確に示し、国の助けになるようにするのが、政治家として最低限の道理だろう。
大統領室は「静かに憲法裁判所の決定を待つ」と言っているが、尹大統領は依然として承服の意思を示してない。李在明代表も憲法裁判所に罷免決定を促しながらも、承服には言及していない。先月、動画共有サイト「ユーチューブ」で「通り過ぎるように承服する」と言ったのが全てだ。共に民主党は2日に国会本会議を開き、崔相穆(チェ・サンモク)経済副首相兼企画財政長官に対する弾劾訴追案を報告することにした。憲法裁判所の宣告が出ても弾劾という脅しをやめないということだ。このように度量が狭く、目先の利益にばかりきゅうきゅうとしている人々が、国の重責を担ってきたなどと、どう言えるだろうか。
憲法裁判所の周辺では4日に弾劾賛成派と反対派による大規模なデモが開かれる予定だ。警察は万一の事態に備えているが、双方の衝突や憲法裁判所への乱入など、暴力行為や流血事態が懸念されている。朴槿恵(パク・クンヘ)元大統領の弾劾宣告時も4人が死亡し、63人が負傷した。しかも、当時とは違って今はフェイクニュースを流すユーチューバーまで加わり、混乱をあおっている。不祥事を防ぐには、尹大統領と李在明代表、与野党が責任を持って慎重な言動をしなければならない。いくら韓国の政治家に責任や慎重さは期待できないとしても、今はそう要請せざるを得ない。
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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