▲鄭桂先・金福馨憲法裁判官(写真左から)
憲法裁判所の韓悳洙(ハン・ドクス)首相弾劾審判の宣告結果は「棄却」5人、「認容」1人、「却下」2人と三つに分かれた。却下の意見を出した鄭亨植(チョン・ヒョンシク)、趙漢暢(チョ・ハンチャン)裁判官は、訴追事由に対する判断は別に行わなかったが、棄却・認容意見を出した残る6人の裁判官は各事由について細かいところで異なる判断を行った。
国会が韓国首相を弾劾訴追した事由は▲国会推薦の憲法裁判官候補者の任..
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▲鄭桂先・金福馨憲法裁判官(写真左から)
憲法裁判所の韓悳洙(ハン・ドクス)首相弾劾審判の宣告結果は「棄却」5人、「認容」1人、「却下」2人と三つに分かれた。却下の意見を出した鄭亨植(チョン・ヒョンシク)、趙漢暢(チョ・ハンチャン)裁判官は、訴追事由に対する判断は別に行わなかったが、棄却・認容意見を出した残る6人の裁判官は各事由について細かいところで異なる判断を行った。
国会が韓国首相を弾劾訴追した事由は▲国会推薦の憲法裁判官候補者の任命を拒否▲内乱常設特別検察官の任命を回避▲尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の内乱行為を共謀・黙認・ほう助▲金建希(キム・ゴンヒ)大統領夫人特検法などを拒否▲与党との「共同国政運営」の試み-という5点だった。
■鄭桂先・金福馨裁判官が「正面衝突」
裁判官の意見が克明に分かれた争点は、韓首相が国会の推薦した憲法裁判官候補者3人(馬恩赫〈マ・ウンヒョク〉、鄭桂先〈チョン・ゲソン〉、趙漢暢〈チョ・ハンチャン〉)を任命しなかったことだ。これを巡って、鄭桂先裁判官と金福馨(キム・ボクヒョン)裁判官の二人が正面衝突した。
鄭桂先裁判官は、韓首相の憲法裁判官任命拒否で「憲法裁が担当する正常な役割と機能すらきちんと作動し得なくなくする憲法的危機の状況を招来した」として罷免を主張した。また、「憲法裁が大統領弾劾審判を審理することになるや、これを遅延させたり妨害したりしようとする与党の意向を考慮したもの」と指摘した。
逆に金福馨裁判官は「大統領に任命権行使の義務があるとしても、裁判官を選出した後『即時』任命すべき義務があるとは見なし難い」とした。国会が選出した裁判官候補が資格要件を満たしているかどうか、選出の過程に瑕疵(かし)はないかどうかなどを慎重に確認しなければならないだけに、すぐに任命しなかったからといって候補の任命を拒否したと断定はできない、という論理だ。
これについて、棄却の意見を出した文炯培(ムン・ヒョンベ)・金炯枓(キム・ヒョンドゥ)・李美善(イ・ミソン)・鄭貞美(チョン・ジョンミ)裁判官は「国会が選出した3人を裁判官として任命すべき憲法上の具体的義務に違反した」としつつも「憲法裁を無力化する目的や意志に基づくものとみるべき客観的資料はない」と見た。一部に違憲・違法事項はあるが罷免に至るほどではない、という判断だ。
■進歩系の裁判官も「棄却」に加勢
大統領権限代行だった韓首相が「内乱常設特別検察官」の任命を回避した事案も、裁判官の間で法理の適用が食い違った。鄭桂先裁判官は「非請求人(韓首相)が特別検察官候補者の推薦を依頼せず、任命手続きが中断し、現在までも非常戒厳に関連した事件に対する捜査権を巡る議論で混乱と対立が増幅している」と、ただ一人罷免を主張した。
残りの裁判官5人は、法律違反ではなく弾劾事由にならない、ということで意見が一致した。各裁判官は、内乱特検に関する定めが憲法裁の権限争議審判に付されていたことを指摘して「特別検察官候補者の推薦依頼が適切であるかどうか、およびその影響を、検討すべき時間が必要であった事情がうかがえる」とした。また特検法では、特別検察官の捜査が決定された場合、大統領は特検候補者推薦委員会に「遅滞なく」二人の候補者の推薦を依頼することになっているが、「遅滞なく」についての意味や基準がなく、統一した判例もないという点を考慮した、と明かした。国会は「韓首相が特別検察官の任命を行わず、関連の捜査を遅延させ、逃避・証拠隠滅を招いた」と主張したが、受け入れなかったのだ。
■内乱共謀、特検法回避などは弾劾事由にならず
韓首相が保守系与党「国民の力」の韓東勲(ハン・ドンフン)代表=当時=と「共同国政運営」を試みたこと、尹大統領の内乱行為を共謀・黙認・ほう助したこと、金建希夫人特検法などを拒否したことなど残りの諸事由は、裁判官8人全員が棄却した。認容意見を出した鄭桂先裁判官も、この争点については「違法ではない」と判断した。野党が政治的目的で無理にねじ込んだ訴追事由だと判断したのだ。
特に、韓代表との共同国政運営を試みたという疑惑について、裁判部は「非常戒厳宣布・解除の後、民心の収拾と安定のために行政府と与党が互いに協力して最善を尽くそうという意思を国民に披歴したもの」だと判断した。
キム・ウンギョン記者、キム・ナヨン記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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