▲イラスト=イ・チョルウォン
ソウル・釜山では、高校の非平準化(学力に応じた高校に進学する制度)の最後の世代は76学番(1976年大学入学)だった。1976年度の大学入試で、高校別のソウル大学の合格者数は京畿高校が498人、ソウル高校が335人、慶北高校が284人だったと当時のメディアは報じている。当時ソウル大学の定員は3210人だったが、このうち15.5%が京畿高校出身者だったわけだ。同年のソウル大新入生の3人に1人は京畿..
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▲イラスト=イ・チョルウォン
ソウル・釜山では、高校の非平準化(学力に応じた高校に進学する制度)の最後の世代は76学番(1976年大学入学)だった。1976年度の大学入試で、高校別のソウル大学の合格者数は京畿高校が498人、ソウル高校が335人、慶北高校が284人だったと当時のメディアは報じている。当時ソウル大学の定員は3210人だったが、このうち15.5%が京畿高校出身者だったわけだ。同年のソウル大新入生の3人に1人は京畿高・ソウル高・慶北高の出身だったことになる。
ソウル大学の合格者数は長い間、名門高校を評価する上での基準となっていた。今でも普段の会話の中で「その年はソウル大に何人入った?」などという言葉が飛び交うほどだ。そのため各高校ともソウル大学の合格者数を増やすために死力を尽くした。合格者数を増やすために、合格ラインの低い学部への志願を強要することも珍しくなかった。
1977年から高校平準化(学区内の高校に抽選で振り分ける制度)世代の学生たちが大学に入学し、ソウル大の合格者数を巡る勢力図は大きく変わった。全州高・大田高・慶北高など、まだ平準化されていなかった地域の高校が上位を席巻したのだ。しかし、その期間は長くは続かなかった。1986までに主要都市の高校が全て平準化され、伝統的な入試強豪校に代わって新興の名門が続々登場した。現在は外国語高・科学高校などの特殊目的高校や自律型私立高校がソウル大合格者数ランキングの上位を占めている。地方の伝統的な名門校からソウル大学に合格した生徒が1人もおらず、OB・OGらが募金運動に乗り出したというニュースを見て驚いたこともある。
しかし、いつの頃からか、ソウル大学の合格者数にはさほど注目が集まらなくなってきた。1997年の通貨危機以降、医学部人気が過熱し、韓国全土の医大・歯科大(医学部・歯学部)が全て埋まった後でソウル大工学部に行くという現象が起きてからだろう。また、定時募集(一般入試に相当)の場合、浪人生の割合が非常に高いため、ソウル大の合格者数が必ずしもその高校のレベルを反映しているとも限らない。2025年度のソウル大定時募集に志願した浪人生の割合は60%だ。そのような状況下で、いつまでソウル大合格者数にこだわって高校の序列化を助長するのかと批判も高まっている。
ソウル大学は今年から、新入生の出身高校と地域を公開しないことにした。ソウル大学の合格者数を基準に高校がランク付けされ、私教育(塾や習い事など)市場や不動産市場まで過熱する問題を緩和しようという趣旨だ。「高校は人を教育する場所であって、入試実績で食べていく予備校ではない」という反省の声も少なからず影響したのだろう。ただ、有名大学への進学熱が依然として高い中で、具体的な情報が公開されなければ、情報力に優れた私教育業者の影響力ばかりが強まるのではないかという懸念もある。教育先進国では、優れていると評価される学科が大学ごとに異なる。適性に合った学科ごとに最もいい大学を志望するようになれば、特定の大学の合格者数を数えるような後進的な風潮もなくなるはずだ。
キム・ミンチョル記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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