▲写真=UTOIMAGE
中国の研究陣が敵軍の戦闘機の動きを正確に予測できる人工知能(AI)基盤の戦闘機システムを開発した。このAIは戦闘機パイロットとの空中戦シミュレーションでパイロットの最後の戦術的優位性を無力化したとのことだ。
12日付の香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストによると、中国最大の防衛産業企業「中国北方工業(Norinco)」の核心研究部署である北西機械電気工学院研究チームは、高級赤外線イメージング..
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▲写真=UTOIMAGE
中国の研究陣が敵軍の戦闘機の動きを正確に予測できる人工知能(AI)基盤の戦闘機システムを開発した。このAIは戦闘機パイロットとの空中戦シミュレーションでパイロットの最後の戦術的優位性を無力化したとのことだ。
12日付の香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストによると、中国最大の防衛産業企業「中国北方工業(Norinco)」の核心研究部署である北西機械電気工学院研究チームは、高級赤外線イメージングとAI予測モデリングを結び付け、戦闘機の翼や後部の細かい動きを感知し、敵軍戦闘機の機動を予測するシステムを構築したという。この技術は米国のF15のような最新鋭戦闘機も無力化できる、と研究チームは主張しているとのことだ。この研究結果は昨年12月、「火炮発射与控制学報」に掲載された。
従来のAI空中戦システムは軌跡を基盤とした予測に頼っており、人間のパイロットの急な動きに対応するのが難しかった。しかし、この研究チームが開発したAIは、敵軍航空機の物理的力学に焦点を合わせ、この限界を克服したという。このAIは「YOLOv8」という特殊神経網を利用して飛行中の赤外線映像を分析、「長・短期記憶(LSTM)」ネットワークを通じて回避機動が展開される前に飛行経路を予測する。特に、F15の1.5メートル方向舵や2メートル昇降舵のような操縦舵面(航空機の旋回と上昇を制御する構成要素)のミリメートル単位の動きまで感知することができる。
研究チームのシミュレーションの結果、AIは標的誤差を2メートル未満に縮めたというが、これは従来の予測方式より10倍向上されている。これを自動化された対空システムに適用すれば、砲弾により操縦席を攻撃できると研究チームではみている。研究チームは「人間のパイロットは本能と予測不可能性に頼っているが、すべての物理的機動には機械的先行要因がある」と説明する。
研究チームは、実際の戦闘状況を模した空中戦シミュレーションテストを実施した。あるシミュレーションでF-15は低高度弾薬投下後に急上昇し、別のシミュレーションでは戦闘機が敵の射撃を避けるために速く不規則に方向を変えて急降下した。2つのシミュレーションでAIは操縦舵面の動きを感知した後、ミリ秒(1000分の1秒)内に軌跡変化を予測し、これによって人間のパイロットは回避機動をする時間的余裕を確保できなかった、というのが研究チームの主張だ。
しかし、このAIには依然として改善しなければならない部分が残っている。その一例として、敵軍が高性能レーザーなどで対応してきた場合は、AI運用に必要なカメラの機能に問題が生じたり、さらには破壊されたりする可能性があると指摘している。
米国も軍事用AIの開発に力を入れている。米国防高等研究計画局(DARPA)が2020年に主催した「アルファ・ドッグファイト(Alpha Dogfight)」空中戦シミュレーション大会では、米防衛企業ヘロン・システムズ(Heron Systems)が開発したファイトファルコン(KF-16 Fighting Falcon)が5つの基本戦闘機機動シナリオシミュレーション戦闘において、人間のF16パイロットを相手に5-0と完勝した。
イ・ヘジン記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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