球団創立40年で新しい幕が開かれた。プロ野球のハンファ・イーグルスの本拠地が今シーズンから生まれ変わった。新球場「大田ハンファ生命ボールパーク」だ。3月5日に開場式を行ったハンファ生命ボールパークは、昨年まで使っていたハンファ生命イーグルスパーク(旧ハンバッ野球場)のすぐ隣の旧ハンバッ総合運動場(総合競技場)の敷地内に総工費2074億ウォン(約210億円、国費150億ウォン〈約15億円〉、市予算..
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球団創立40年で新しい幕が開かれた。プロ野球のハンファ・イーグルスの本拠地が今シーズンから生まれ変わった。新球場「大田ハンファ生命ボールパーク」だ。3月5日に開場式を行ったハンファ生命ボールパークは、昨年まで使っていたハンファ生命イーグルスパーク(旧ハンバッ野球場)のすぐ隣の旧ハンバッ総合運動場(総合競技場)の敷地内に総工費2074億ウォン(約210億円、国費150億ウォン〈約15億円〉、市予算1438億ウォン〈約146億円〉、ハンファグループ486億ウォン〈約50億円〉)をかけて建設された。地下2階、地上4階に延べ床面積5万8594平方メートル、観客席2万7席規模で建てられた。これまで施設の老朽化により悪名高かったイーグルスパークを離れ、さわやかな新居に移ることで、ハンファの選手たちは胸をときめかせている。
新球場で最も目を引くのは断然「モンスターウオール」だ。球場はレフトフェンスまで99メートル、ライトフェンスまで95メートルと、非対称構造となっている。そのためライトに長さ32メートル、高さ8メートルの「大型フェンス」が導入された。本塁打性の当たりが二塁打や三塁打になったり、外野手がフェンスで跳ね返った打球をキャッチしたりするなど、従来のプロ野球では見られなかったさまざまなシーンが演出される見通しだ。モンスターウオール以外のフェンスの高さは2.4メートルと、通常3.2-4.0メートル程度の他球場よりも低い。中長距離バッターに有利な構造と言える。外野のフェンスは他球場では見られない五角形となっている。
「モンスターウオール」は米大リーグ(MLB)ボストン・レッドソックスのホーム球場であるフェンウェイパークの「グリーンモンスター」(高さ11.3メートル)をほうふつさせる。ただ、グリーンの単色に手動で変えるスコアボードが設置されているグリーンモンスターとは異なり、モンスターウオールには映像などのコンテンツが表示される半透明「メディアグラス」が設置された。その奥にはメゾネット(複数階)式ブルペンを設けた。観客は両チームの投手陣がウオーミングアップする様子を見ることができる。1階はホームチームのハンファが、2階はビジターチームが使用する。
三塁側観客席の4階に位置したインフィニティー・プール(横15メートル、縦5メートル、深さ1.5メートル)は、オープン前からうわさになっていた。通常はホテルなどに設置されるプールで、インフィニティー・プールが球場に設置されるのは初めてだ。透明アクリル素材で製作され、水泳を楽しみながら野球を観戦できるようにした。その隣にはキャンプゾーンも設置した。家族連れが楽しめる複合余暇空間を醸し出したという。
ハンファとしては1986年のチーム創設以来、初めて迎える新球場だ。これまで使用していたハンファ生命イーグルスパークは1964年にオープンした。何度も改修工事を行ってきたものの、観客席が1万2000席と少ない上、内部施設も老朽化するなど、首脳陣の頭を悩ませてきた。ロッカールームやシャワー施設も古くなり、選手の間からは不満の声が絶えなかった。2000年代後半から続いているハンファの成績不振も球場のせいだと指摘する声が上がるほどだった。
新球場の観客席数は旧球場の2.25倍、2万7000席に拡大した。昨年、チケット完売を47回(プロ野球最多)も記録したチームとしては、何よりも興行成績向上を狙えるメリットとなる。ロッカールームは球団の意見を積極的に反映し、個人の休息はもちろんのこと、長時間のチームミーティングまで行えるよう快適空間として構築された。チームの結束力を促すため、球団を象徴するオレンジ色のれんがを主体にコーディネートされている。また、ロッカールームはウエート・トレーニングルームや室内芝練習場など選手たちがよく利用する空間とつながっており、試合準備のための移動が容易となる見通しだ。球団側は「選手たちもコーチ陣もロッカールームなどの球場内施設に驚いている」という。
ファンを考慮した細かい設計も目立つ。球場を南東向きに配置し、日が沈む午後からはホームファンの座席である一塁側に自然と影が差し込む仕組みとなっている。大型電光掲示板もホームファンにとって見やすいレフトフェンス付近に設置した。さらに、観客席の間隔も、座っていても前を通る人を避けられる程度に広くなった(左右6センチ、前後5センチ)。
また、観客席は紺色だが、左右のポールはチームカラーのオレンジ色を施した。通常、球場の外野席のポールは黄色だ。球場のトイレも男子はネイビー、女子はオレンジ色で区分した。球場周辺には子どもの遊戯施設などとともに緑地空間も造成する。大田市は「大田ハンファ生命ボールパークは単なる球場の枠を越え、新たなランドマークであり、複合文化空間」と説明した。
ハンファは新球場で2018年以降7年ぶりとなる秋のプレーオフ進出を狙っている。シーズン開幕を控えて外部からFA選手の獲得に128億ウォン(約13億円)を投じ、ユニホームやチームのロゴも全て変更した。チームの看板打者、盧施煥(ノ・シファン)=24=が「新球場にふさわしいわれわれとなって、今年は絶対にプレーオフに出場する」と強い意気込みを語った。17日、サムスン・ライオンズとのオープン戦で新球場のこけら落としを行う。公式戦のホーム開幕は28日で、起亜タイガースとの一戦となる見通しだ。7月12日に行われるプロ野球のオールスター戦も、同球場で開催される。
大田=カン・ウソク記者、大田=ヤン・スンス記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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