▲イラスト=UTOIMAGE
昨年、韓国で大流行した百日ぜきを誘発する菌の約40%は抗生剤が効かないという韓国政府の研究結果が発表された。韓国疾病管理庁はこのほど、こうした結論を得た上で、今月から研究サンプルを大幅に増やし、百日ぜき菌の抗生剤耐性を再確認する大規模な再検査を開始したことが確認された。
百日ぜきは発熱とせきを伴う急性呼吸器疾患だ。百日ぜきという病名は、せきが100日間続くということで付けられた。昨年の韓国での感..
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昨年、韓国で大流行した百日ぜきを誘発する菌の約40%は抗生剤が効かないという韓国政府の研究結果が発表された。韓国疾病管理庁はこのほど、こうした結論を得た上で、今月から研究サンプルを大幅に増やし、百日ぜき菌の抗生剤耐性を再確認する大規模な再検査を開始したことが確認された。
百日ぜきは発熱とせきを伴う急性呼吸器疾患だ。百日ぜきという病名は、せきが100日間続くということで付けられた。昨年の韓国での感染者数は4万7888人で、前年(292人)の164倍と急増した。昨年11月には百日ぜきによる韓国初の死亡者が出ている。
これを受け、疾病管理庁は今年初め、急増の原因解明に乗り出した。全国の病院から集めた百日ぜき菌を人工培養し、薬剤の耐性の有無を試すことができる菌株を計14株作ったという。同一遺伝子を持つ細胞集団である菌株は、韓国では疾病管理庁だけが作ることができる。
疾病管理庁が実験した結果、百日ぜき菌株14株のうち6株がマクロライド系抗生剤に耐性を持っていることが分かったという。マクロライド系抗生剤とは、呼吸器疾患者に一次的に最も多く使われる抗生剤で、よく「マイシン」と呼ばれている。
医療界の関係者は「昨年の百日ぜき急増の主な原因が抗生剤に対する耐性だとされるのはこのためだ」「韓国は抗生剤を多く使う環境にあるので、百日ぜき菌も抗生剤に対する耐性を持つようになったようだ」と話す。経済協力開発機構(OECD)加盟国のうち、韓国の抗生剤使用量は2021年基準で8位だった。政府は韓国における抗生剤処方の約30%を「不適切な処方」とみている。
だが、韓国の百日ぜきによる入院率は約8%で、他国に比べて低い方だ。死亡者も1人だった。専門家らは「百日ぜき菌が抗生剤に対する耐性を持っていることを考えると、百日ぜきの被害は他国に比べて多いほうではない」と指摘した。ヨーロッパでは昨年、百日ぜきにより20-50人の死亡者が発生している。
慶尚南道医師会のマ・サンヒョク感染症対策委員長は「世界的に最も高い韓国のDTaP(ジフテリア・破傷風・百日ぜき)ワクチン接種率(97%)が症状の悪化と広範囲な感染を防ぐ主な原因である可能性がある」「韓国の多くの妊婦が接種している百日ぜきワクチンも新生児に百日ぜき免疫を持たせる要因だ」と語った。
曺栢乾(チョ・ベッコン)記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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