▲京畿道果川市の中央選挙管理委員会/NEWSIS
憲法裁判所は1月27日に「監査院は選挙管理委員会の監査はできない」とする決定を下したが、これについて法曹界や学界から「受け入れられない」との反論や「選管改革の必要性」を訴える声が相次いでいる。韓国政治学会会長を務めた慶南大学の沈之淵(シム・ジヨン)名誉教授は「最近相次ぐ選管の放漫な選挙管理や職員採用不正などから、大々的な改革の必要性が高まった」と指摘する。選管はこれまで外部の監査はもちろん、独自..
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▲京畿道果川市の中央選挙管理委員会/NEWSIS
憲法裁判所は1月27日に「監査院は選挙管理委員会の監査はできない」とする決定を下したが、これについて法曹界や学界から「受け入れられない」との反論や「選管改革の必要性」を訴える声が相次いでいる。韓国政治学会会長を務めた慶南大学の沈之淵(シム・ジヨン)名誉教授は「最近相次ぐ選管の放漫な選挙管理や職員採用不正などから、大々的な改革の必要性が高まった」と指摘する。選管はこれまで外部の監査はもちろん、独自の改革の仕組みを作ることにも消極的との声が相次いでいるだけに「憲法上の独立機関という理由で監査の死角地帯としてはならない」との見方のようだ。監査院の監査により、選管がここ10年で行った291回のキャリア採用で878件の規定違反が摘発された。逆に規定の違反がなかったことがないのだ。
ところが野党・共に民主党は憲法裁判所の決定が下された翌日の先月28日、監査院の職務監察対象から選管を除外する監査院法改正案を国会に提出した。田溶冀(チョン・ヨンギ)議員ら12人の同党所属議員が提出した監査院法改正案は、監査院法上の職務監察対象から除外される機関(国会、裁判所、憲法裁判所)に選管を追加するものだ。監査院法のこの条項を巡っては「選管を監察除外機関と明記しないことは『監察せよ』という趣旨だ」との声が相次ぐ中、共に民主党はこの法律を書き換えて監査院の監察をできないよう防弾に乗り出したとの指摘が与党などから相次いでいる。これに対して田溶冀議員は「憲法上、選管は独立した憲法機関としての地位が保障されねばならない」と反論した。共に民主党は「選管は監査院の監査対象ではない」とする憲法裁判所の決定についても「非常に意味のある判決」と評価した。その一方で共に民主党は監査院の監査で明らかになった878件の選管採用不正については特に言及しなかった。
これに対して与党・国民の力は選管を一時的に監査可能とする特別監査官を任命する内容の法案を提出した。選管で各種のずさんな選挙管理の問題や採用不正が表面化し、さらに選管幹部がいわゆる「携帯サブ機」を使って政治家と接触した疑惑まで浮上しただけに、監査機関を設置する必要性が高まったというのだ。国民の力は国会による選管けん制機能を強化する法改正、さらに憲法改正により選管と憲法裁判所の監視・監督を制度化する仕組みの必要性も主張している。
この問題で国民の力の羅卿瑗(ナ・ギョンウォン)議員は1日、フェイスブックを通じ「選管に対する国政調査を推進し、腐敗したカルテルの実態を明らかにすべきだ」「憲法改正を議論する際に選管と憲法裁判所を国民がしっかりと監視しけん制できる制度も必ず導入すべきだ」と主張した。ソウル市の呉世勲(オ・セフン)市長は2日「選管が独立性ばかりを強調し、『けん制を受けない王国』となった今の異常な状況を正常に戻さねばならない」「選管委員長を裁判官ではなく選挙や行政の専門家などにも開放し、選管に対する国会のけん制が可能になるような法改正も行うべきだ」と指摘した。韓東勲(ハン・ドンフン)元国民の力代表も「憲法が選管を独立機関としたのは『しっかり仕事しろ』という意味であり、『自分たちだけで楽しくやれ』という意味ではない」「憲法改正を通じて監査院の監査の範囲を選管にまで広げる方法を導入すべきだ」と発言した。
国民の力は今月5日に国会行政安全委員会を招集し、監査院による選管監査結果を巡る緊急の質疑を行うことにした。国民の力は中央選挙管理委員会事務総長(閣僚級)に対する国会の人事聴聞会導入も推進する意向を明らかにした。国民の力の権性東(クォン・ソンドン)院内代表は「今の選管は大韓民国のどの組織よりも腐った状態であり、自浄能力も期待できない」と批判した。国民の力法律諮問委員会の委員長を務める朱晋佑(チュ・ジンウ)議員は2日、フェイスブックに「現在、大韓民国は『選挙管理』も必要だが、『選管管理』の方がさらに必要な時だ」「憲法裁判所が選管の独立性を盲信しているので、監査院の監査を排除したのはあまりに性急だった」と指摘した。
選管は今回の監査院による監査結果について「人事と監査分野の問題点はかなり改善した」「具体的には(採用)試験委員を(内部の職員ではなく)100%外部の委員で構成し、試験委員が応募者と血縁関係があった場合は回避する手続きも導入した」と説明した。
キム・ヒョンウォン記者、キム・ジョンファン記者、イ・ヘイン記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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