▲ウクライナを応援する中国人弁護士・李洪華さん。/鄭喆煥特派員
ウクライナの首都キーウの中心部、「マイダン(独立広場)」の一角には、多数のウクライナ国旗が立てられた芝生スペースがある。「英雄広場」とも呼ばれるこのスペースにはためく国旗は、過去3年間でロシアの侵攻に立ち向かって戦死したウクライナ人たちを象徴している。2年ほど前に訪れた時には旗は数千本だったが、今では1万本を超える。旗の周囲には、家族や親しい人たちが置いたとみられる花束もたくさんあった。
中でも..
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▲ウクライナを応援する中国人弁護士・李洪華さん。/鄭喆煥特派員
ウクライナの首都キーウの中心部、「マイダン(独立広場)」の一角には、多数のウクライナ国旗が立てられた芝生スペースがある。「英雄広場」とも呼ばれるこのスペースにはためく国旗は、過去3年間でロシアの侵攻に立ち向かって戦死したウクライナ人たちを象徴している。2年ほど前に訪れた時には旗は数千本だったが、今では1万本を超える。旗の周囲には、家族や親しい人たちが置いたとみられる花束もたくさんあった。
中でも、芝生の前の道に並んだ約100個の植木鉢が目を引いた。ウクライナ国旗の色である黄色と青色の花、そして流れた血を象徴する赤い花の鉢が並べられ、どの鉢にもA4用紙に中国語の簡体字でびっしり書かれたメッセージが貼られていた。漢字には詳しくないながらも知識を総動員して読んでみると、驚いたことに上海、河南、浙江、天津、瀋陽など、全て中国本土の人々から送られたものだった。
内容もどれも、中国人が書いたとは信じられないようなものばかりだった。「ロシアは侵略行為を今すぐ中断せよ」「プーチンを即刻(国際法廷に)起訴せよ」「ウクライナ加油(中国語で『頑張れ』)」などだ。中国はウクライナ戦争が起きて以降、表面的には「中立」の立場を取っているが、実際には西側諸国の経済制裁によるロシアの孤立を解消するという方法でロシアを積極的に支援してきた。また、ロシアと共にBRICS(経済成長の著しいブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)をけん引し、米国や西欧に対抗するために世界秩序の再編をもくろんできた。
植木鉢に書かれたメッセージはこのような中国政府の立場とは明らかに異なるものだ。今も一党独裁国家である中国で、このような意見を表明する人たちがいるということに驚いた。もしかしたら植木鉢を置いた人に話を聞けるかもしれない、と期待して数日間周囲をうろうろしていたところ、ついにその主人公に会うことができた。上海で弁護士として働き、その後ウクライナにやって来たという李洪華さん(57)だった。
李さんは「ロシアのプーチン大統領と米国のトランプ大統領を侵攻と傍観の容疑で起訴すべき」というプラカードを持って立っていた。約100個の植木鉢は、李さんと同じ意見を持つ中国人たちがポケットマネーを出し合って用意したものだという。家族との豊かな生活を捨てて、なぜこの地にやってきたのか。李さんは「法律家として、中国社会の『進歩』のために努力したが、限界があった」として「そんな中でロシアによる不義な戦争が起こり、いてもたってもいられず今年初めにここへ駆けつけた」と話した。
李さんは「正義に反しない国際秩序」を強調した。「自分だけでなく、大勢の中国人が心配しています。トランプ氏が主導する交渉によって、ロシアの負けではない終戦という形になれば、世界は『強者の横暴』が支配する混乱の時期に入るでしょう」。李さんは「韓国のような国はどうなるでしょうか」とも言った。戦争開始から3年、ロシアによる空襲が続くキーウの街で、中国人弁護士が投げ掛けた一言は、私たちの前に広がるかもしれない恐ろしい現実の重みを実感させた。
キーウ(ウクライナ)=鄭喆煥(チョン・チョルファン)パリ特派員
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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