▲24日に金日成(キム・イルソン)政治大学を訪問した北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記。学生たちから歓迎を受けている。/労働新聞、ニュース1
外貨稼ぎのため中国の遠洋漁船に送られた北朝鮮船員らが奴隷のように搾取されていることが分かった。英国の環境団体が発行した報告書にこれらの証言が記載されている。報告書に記載された事例の中には、ある北朝鮮船員が10年にわたり船内で強制労働をやらされたケースや、8年にわたり陸に上がれず船に居続けたケースなどもあった。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)政権が外貨稼ぎ目的で自国民の人身売買を行う実情が明らか..
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▲24日に金日成(キム・イルソン)政治大学を訪問した北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記。学生たちから歓迎を受けている。/労働新聞、ニュース1
外貨稼ぎのため中国の遠洋漁船に送られた北朝鮮船員らが奴隷のように搾取されていることが分かった。英国の環境団体が発行した報告書にこれらの証言が記載されている。報告書に記載された事例の中には、ある北朝鮮船員が10年にわたり船内で強制労働をやらされたケースや、8年にわたり陸に上がれず船に居続けたケースなどもあった。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)政権が外貨稼ぎ目的で自国民の人身売買を行う実情が明らかになったと言える。
英国ロンドンに本部を置く「環境正義財団(The Environmental Justice Foundation)」は22日、北朝鮮漁船乗組員の強制労働の実態が記載された「海に捕らえられた人たち:中国のインド洋マグロ漁船における北朝鮮の強制労働暴露」と題された報告書を公表した。
報告書には2017-23年に中国の遠洋マグロ漁船に乗り込んだインドネシア人船員とフィリピン人船員の証言に基づくもので、主に同じ船に乗っていた北朝鮮船員についての内容だ。報告書には「10万人に達する北朝鮮の海外派遣労働者が向かう主な目的地は中国で、(中国の)遠洋漁船における北朝鮮労働者の実態が文書として公開されるのはこれが初めて」と記載されている。
ソマリアやモーリシャス、オーストラリア周辺で操業する中国の遠洋漁船は定期的に各国の港に入港するが、北朝鮮船員らは港に行かず他の船に乗り換えるため陸には上がれないという。彼らがわずかでも陸地に上がれない理由は、国連安全保障理事会が2017年12月に北朝鮮の核開発に対する制裁として、全ての国連加盟国に北朝鮮労働者の雇用を禁じ、それまで海外で働いていた北朝鮮労働者たちも本国に送還させる決議が採択されたからだ。取り締まりを回避するため船主らは北朝鮮船員らを船の中にとどまらせたため、彼らは陸に上がれないというのだ。
実際に2022年12月にはモーリシャスに停泊していた中国漁船の船長と北朝鮮船員6人が逮捕され、その後は取り締まりから逃れるため北朝鮮船員らを監禁するケースがさらに増えたという。これらも報告書に記載されている。
北朝鮮船員らは携帯電話の所持も禁じられているため、数年にわたり家族と連絡を取れないことも調査で明らかになった。2022年末から昨年6月まで6人の北朝鮮船員と同じ漁船で働いたというインドネシア人船員は「1人のある北朝鮮船員は7年にわたり妻と1回も連絡できなかったと聞いた」と証言した。
8年間も船に乗り続け、陸地に上がれなかった北朝鮮船員らと共に働いたとの証言も報告書に記載されている。北朝鮮船員らはこのように徹底して人権がじゅうりんされているが、互いに監視し思想教育に没頭しているとの証言もある。動画で金正恩(キム・ジョンウン)総書記の演説を見ることもあれば、北朝鮮船員たちが直立不動で国旗を掲揚し国歌を歌うこともあるという。
中国漁船の乗組員たちは多くがパスポートを取り上げられて船に乗り込み、船内では1日5-6時間しか睡眠が許されずひたすら作業に従事するが、北朝鮮船員たちはどの漁船でも特に経歴が長く、最も熟練しているという。これも仲間の船員たちの証言だ。またインドネシア船員は1カ月に約330ドル(約4万9000円)を受け取るが、北朝鮮船員の給与は北朝鮮政府に直接送金されているという。ただし一部の漁船では北朝鮮乗組員の給与から50ドル(約7500円)を天引きしているという。
環境正義財団代表のスティーブ・トレント氏は報告書の公表に当たり「不法操業と人権侵害は中国の遠洋漁船ではほぼ例外なく見つかるが、北朝鮮船員たちが長期にわたり苦しんできた強制労働は財団が突き止めた深刻な違法行為の中でも特に深刻なケースだ」と指摘した。
財団によると、2017-23年にインド洋南西部で操業していた中国漁船71隻から177件の不法操業や人権侵害などが発生、あるいは発生が疑われたという。
中国政府は今回の報告書には言及せず、遠洋漁船の活動は合法と改めて主張した。中国外交部(省に相当)の林剣報道官は24日のブリーフィングで「具体的な状況は分からないが、中国は原則的に遠洋漁業活動の際には現地の法律や国際法関連の規定を順守するよう求めている」「中国と朝鮮(北朝鮮)の関連分野での協力は全て国際法の枠に合わせて行われている」と述べた。これは「報告書の内容は国連制裁違反になる恐れがある」との質問に答えたもの。
リュ・ジェミン記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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