▲イラスト=UTOIMAGE
フランスのパリ第7大学の元教授などと虚偽の経歴で活動していたチェ・パオロ容疑者(71)の彫刻作品がソウル市江南区大峙洞のカトリック教会をはじめ、金大建(キム・デゴン)神父の墓地など韓国カトリック教会の主要な教会や聖地などに設置されていることが24日までに分かった。チェ・パオロ容疑者の彫刻が設置された教会などは「こちらも最近になってチェ・パオロが詐欺の前科者という事実を知った」「早期に対応したい」..
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フランスのパリ第7大学の元教授などと虚偽の経歴で活動していたチェ・パオロ容疑者(71)の彫刻作品がソウル市江南区大峙洞のカトリック教会をはじめ、金大建(キム・デゴン)神父の墓地など韓国カトリック教会の主要な教会や聖地などに設置されていることが24日までに分かった。チェ・パオロ容疑者の彫刻が設置された教会などは「こちらも最近になってチェ・パオロが詐欺の前科者という事実を知った」「早期に対応したい」とコメントしている。
【写真】チェ・パオロ容疑者作「キリストの晩さん」
ソウル市江南区大峙洞のカトリック教会1階ロビーには1983年にチェ・パオロ容疑者が制作した「キリストの晩さん」と題されたレリーフがある。横5メートル、高さ3メートルのかなり大型のレリーフだ。一時は2階の祭台に設置されていたが、その後1階ロビーに移された。レリーフの前にはテーブルと椅子があったが、レリーフそのものを遮るものはない。大峙洞カトリック教会はソウル大教区を通じ「チェ・パオロ氏の詐欺は最近認知した」「事案の真相を把握した上で、今後の対応について検討したい」とコメントした。
この彫刻の作者であるチェ・パオロ氏が詐欺の前科者という事実に大峙洞カトリック教会の信徒らも驚きを隠せない。信徒の間からは「以前からこの教会にあった彫刻なので、こんな問題があるとは思ってもみなかった」「真実と誠実を重視し、うそをタブーとするカトリック教会に詐欺師の彫刻があるのなら、すぐにでも対応すべきだ」などの声が上がっている。
チェ・パオロ容疑者が館長を務める江原道寧越郡の宗教美術博物館は現在閉館中だ。寧越郡の関係者によると、チェ・パオロ容疑者が昨年2月に新安郡から詐欺容疑で訴えられた後の昨年4月から閉館が続いているという。チェ・パオロ容疑者が2009年に「チェ・パオロ聖像木彫刻展」を開催した京畿道水原市の北水洞教会でもチェ・パオロ容疑者の作品は全て撤去された。全羅南道新安郡もチェ・パオロ容疑者が設置した318点の天使像をどうするか頭を痛めている。チェ・パオロ容疑者は19年に故・金大中(キム・デジュン)元大統領の出身地である全羅南道新安郡の荷衣島に天使像を設置した。
チェ・パオロ容疑者は過去にも学歴や経歴などの詐称疑惑が浮上していた。これについてチェ・パオロ容疑者はある宗教メディアとのインタビューで「誰かが私を詐欺師と非難したのでインタビューに応じた」とした上で「全て事実ではない」「私自身が聖像作家ということを非常に誇りに思っている。聖像で平和と真理の一部を多くの人たちと共有でき、私を創った方の御言葉を伝えることは恥ずかしくない」と述べた。
しかし裁判所の判決によると、チェ・パオロ容疑者は10代初めからソウル市中区新堂洞の鉄工所や木工所などで働き、20代になると常習的な詐欺行為で何度も刑務所に服役してきた。チェ・パオロ容疑者は1992年にはパリ第7大学名誉教授として在職していたと主張しているが、この時期に彼は青松教導所(刑務所)に詐欺容疑で服役していた。
この他にもチェ・パオロ容疑者は京畿道安城市のミリネ聖地にある金大建(キム・デゴン)神父の墓所にペテロ像と長さ25メートルの「227位聖人福者レリーフ」を、さらにソウル市陽川区木4洞教会には「十字架の道行き14留」を設置していた。チェ・パオロ容疑者は日本の秋田県にある聖母マリア聖地や長崎県の原爆慰霊塔など、世界70以上の聖地や教会に自らの彫刻を設置したと主張している。
あるカトリック信者は「韓国カトリック教会が彫刻作家を詐称する詐欺師にだまされていたとは」「以前から何度もチェ・パオロ容疑者の経歴などに疑いの目を向ける世論はあったが、全て黙殺されていた」と指摘した。別のカトリック教会関係者は「この人の彫刻が教会にあることが信徒たちにばれないか心配だ」「キリストの名が良くないところで使われているようだ」と懸念を示した。
アン・ジュンヒョン記者、イ・ミンギョン記者、アン・テミン記者
チョソン・ドットコム/朝鮮日報日本語版
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