▲スズキ「eWX」のコンセプト/東京=パク・チンウ記者
「小さいことの影響力(Impact of the Small)」
米国ラスベガスで開かれた世界最大のIT博覧会「CES2025」で目にしたメッセージが帰国後も引き続き頭から離れない。今年初めてCESに参加した日本の自動車メーカー、スズキのスローガンだった。ブースには小型トラックと電気自動車関連の技術が展示されており、電気自動車が量産された形跡は見られなかった。今年初の電気自動車販売を控え、今後も..
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▲スズキ「eWX」のコンセプト/東京=パク・チンウ記者
「小さいことの影響力(Impact of the Small)」
米国ラスベガスで開かれた世界最大のIT博覧会「CES2025」で目にしたメッセージが帰国後も引き続き頭から離れない。今年初めてCESに参加した日本の自動車メーカー、スズキのスローガンだった。ブースには小型トラックと電気自動車関連の技術が展示されており、電気自動車が量産された形跡は見られなかった。今年初の電気自動車販売を控え、今後も小さくて軽い製品に集中し、「軽自動車の強者」の座を守り抜くといった意気込みを感じさせる展示だった。
一目で「遅刻した生徒の言い訳」という感じがした。そのすぐそばには、中国の電気自動車メーカーであるZeekr(ジーカー)のブースがあった。最近の電気自動車の需要低迷を解決する方策とされている自動充電技術をお目見えさせていた。車の中でボタンを押すと、ロボットアームが充電口を探して自動充電を始める。充電が終われば充電器を車から外し、一般駐車区域に自ら移動することも可能な技術を備えていた。そこには伝統を強調する日本、急速に変化する中国があった。
独自技術で世界市場で名をはせてきた日本車は最近、黄信号に直面している。日本トップであり、世界トップを誇るトヨタは昨年、品質認証関連の不正行為が摘発され、国内外で大きな叱責(しっせき)を受けた。効率中心の組織文化の中で、日程短縮を巡る圧力が原因と指摘されている。日本2位と3位のホンダと日産は、収益性の悪化により合併を模索している。まだ準備されていない電気自動車分野への投資を増やす中、東南アジアや中国などの市場で中国企業の破竹の勢いに押されている影響だ。
トヨタの経営哲学であり、日本企業の成長エンジンの象徴とされてきた「改善(業務革新)」が賞味期限を全うしたという意味とも解釈される。毎日漸進的に仕事の効率性を高め、技術を蓄積する方式だけで生存することは難しくなったのだ。米テスラがバッテリーを車体の下部に搭載することで初めて電気自動車時代を切り開き、中国メーカーは積極的な技術模倣と提携を通じて最近、電気自動車の先頭グループにまでのし上がってきた。次の舞台は自動運転だ。米国や中国のメーカーは道路上を運転手なしで走るタクシーを相次いで生産している。まだ見ぬ未来技術を先取りする争いが企業の生存を左右するようになったことで、仕事のスピードに負けずとも劣らないくらいに方向性を決めることが重要な時代となった。
CESを埋め尽くした日本企業を思い起こしてみる。今年、米国、ドイツ、韓国などの自動車メーカーがこぞって参加しなかったため、日本メーカーの姿が目立った。一足遅れで電気自動車を発売すると抱負を語り、自動運転などの未来技術に代わって、華やかなデザインを強調した製品を展示している。「原点に帰る」(ホンダ)という抱負が「遅刻した生徒の言い訳」なのか、はたまた「初心者の強気」なのかは今後見守らなければならない。ただし、こうした話が東海の向こうに存在する島国だけの話ではないということだけは間違いないようだ。
イ・ヨングァン記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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