▲国会で開かれた非常議員総会に出席しスマートフォンを確認する韓国野党・共に民主党の李在明(イ・ジェミョン)代表。19日撮影。/聯合ニュース
尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領に逮捕状を発布したソウル西部地裁の車恩京(チャ・ウンギョン)部長判事が「逮捕が必要」と判断した理由は「被疑者が証拠隠滅する恐れがある」というわずか15文字の短い内容だった。通常、逮捕状の審査では犯罪容疑が疏明されるか、証拠隠滅や逃走の恐れに対する判断根拠やその理由が提示される。ところが憲法裁判所の弾劾審判に大きな影響を与えかねない現職大統領の逮捕状発布について、裁..
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▲国会で開かれた非常議員総会に出席しスマートフォンを確認する韓国野党・共に民主党の李在明(イ・ジェミョン)代表。19日撮影。/聯合ニュース
尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領に逮捕状を発布したソウル西部地裁の車恩京(チャ・ウンギョン)部長判事が「逮捕が必要」と判断した理由は「被疑者が証拠隠滅する恐れがある」というわずか15文字の短い内容だった。通常、逮捕状の審査では犯罪容疑が疏明されるか、証拠隠滅や逃走の恐れに対する判断根拠やその理由が提示される。ところが憲法裁判所の弾劾審判に大きな影響を与えかねない現職大統領の逮捕状発布について、裁判所が説明した理由はわずか15文字、1行だった。証拠隠滅の恐れについての理由説明もなく、逃走の恐れや犯罪疏明についても説明がなかった。尹大統領が家宅捜索や出頭に応じず、容疑を全面的に否認したことが証拠隠滅の恐れという判断につながったと推定されるだけだ。
裁判所が有力政治家など別の被疑者に対する逮捕状を発布あるいは棄却した際と今回を比較すれば、公平性の問題も浮上する。裁判所は野党の一部まで同意し国会の逮捕同意案まで通過した共に民主党の李在明(イ・ジェミョン)代表の令状を棄却した。曺国(チョ・グク)代表には二審で実刑を宣告しながら法廷拘束はせず、総選挙に出馬し当選する道を開いた。これと比較すると現職大統領を逮捕する際に裁判所が説明した「15文字の逮捕理由」は公正性の面で論議を呼ぶ恐れがある。
2023年9月に李在明代表の令状を棄却した判事は令状棄却理由を600文字の分量で説明した。判事は「被疑者の防御権保障必要性の程度や証拠隠滅の恐れの程度などを総合すれば、在宅捜査の原則を排除するほど逮捕の理由や必要性があるとは考えにくい」「政党の現職代表として公職監視と批判の対象となる点を勘案した」などの記載がある。このように野党代表という政治的背景を逮捕しない理由とした裁判所が、現職大統領にはなぜこの原則を適用しなかったのか説明が必要だ。
拘束令状をソウル中央地裁ではなくソウル西部地裁に請求し「令状ショッピング問題」を起こした高位公職者犯罪捜査処(公捜処)は逮捕状も西部地裁に請求した。ところが令状審査が週末に行われたため、大統領令状審査は令状専門の判事ではなく、週末の当直裁判官により行われた。過去の大規模事件の場合は週末でも令状判事が行ったが、その前例と比較しても到底納得しがたい。
今や国民の視線は李在明代表の選挙法と偽証教唆、大庄洞、北朝鮮送金事件などを担当する裁判所に向かっている。中でも一審で懲役1年、執行猶予2年が宣告された選挙法事件は法律通りなら二審は2月15日、大法院判決は5月15日までに出さねばならない。もし不公正な裁判遅延という問題が浮上する中で大統領選挙が行われた場合、そのときは司法も耐えがたい状況に追い込まれるだろう。
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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