【ソウル聯合ニュース】新型コロナウイルスが世界的に大流行した2020年以降、急成長を続けていたK―POP市場が昨年、フィジカルアルバム販売量が減少し輸出額も停滞するなど成長の勢いが一段落した。韓国関税庁が16日までに公表した統計資料で分かった。
専門家などは今年、BTS(防弾少年団)とBLACKPINK(ブラックピンク)がグループとしての活動を再開することが市場の活性化につながると期待する一方、H..
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【ソウル聯合ニュース】新型コロナウイルスが世界的に大流行した2020年以降、急成長を続けていたK―POP市場が昨年、フィジカルアルバム販売量が減少し輸出額も停滞するなど成長の勢いが一段落した。韓国関税庁が16日までに公表した統計資料で分かった。
専門家などは今年、BTS(防弾少年団)とBLACKPINK(ブラックピンク)がグループとしての活動を再開することが市場の活性化につながると期待する一方、HYBE(ハイブ)、SMエンタテインメント、JYPエンターテインメントなど大手芸能事務所から相次いで新人グループがデビューすることに注目している。
◇K―POPアルバム輸出額 実質「ゼロ成長」
関税庁の統計によると、昨年1年間のアルバム輸出額は2億9183万7000ドル(約455億円)で、前年比0.55%の増加にとどまった。
アルバム輸出額は2019年7459万4000ドル、20年1億3620万1000ドル、21年2億2085万ドル、22年2億3138万9000ドルと、新型コロナが世界的に大流行した20年以降に急増したが、昨年は急ブレーキがかかった。
昨年のアルバム輸出額を国別に見ると、日本が8978万6000ドルで最も多く、米国(6029万3000ドル)、中国(5978万9000ドル)と続き、1~3位は前年と同じ順位だった。輸出額全体に占める上位3カ国の割合は72.8%に達した。
中国は景気低迷に加え、当局による韓国コンテンツの流通制限などがあるにもかかわらず、昨年の輸出額が前年比76.4%増加した。一方、1位の日本は24.7%減少した。
韓国音楽コンテンツ協会運営の音楽チャート「サークルチャート」の研究委員は、昨年のアルバム輸出額が減少に転じず足踏み状態でとどまったのは中国の影響が大きいと説明した。
◇アルバム販売枚数が年間1億枚を下回る
K―POP市場の流れを読むもう一つの指標である年間アルバム販売枚数は減少に転じた。
サークルチャートによると、昨年1~12月のアルバム累計販売枚数1~400位の合計は約9890万枚で、前年比約2130万枚減少した。
これについて業界関係者は、アルバムを売り切るまでサイン会などイベントを何度も開催したり、販売業者にアルバムを買い取らせたりするK―POP市場の悪習とされる販売戦略が多少緩和されたためと指摘している。
また各アイドルグループのファンコミュニティー同士が繰り広げる販売枚数記録の争いも昨年は22、23年のように過熱しなかったという。
サークルチャートの研究委員は「昨年のアルバム販売量の減少量は上位圏ボーイズグループに集中しており、ガールズグループは前年に比べて大きな変動はなく善戦した」とし、販売枚数の減少はK―POP産業の構造的な問題ではないとみられると指摘した。
アルバム販売枚数が減少した影響などで、HYBEやSMエンタなどの昨年7~9月期の営業利益は前年同期より減少し、YGは営業損失を計上した。
◇今年は再び盛り返すか
業界関係者は、今年グループとしての活動を再開するBTSとBLACKPINKが市場を活性化する「呼び水」になると期待する。
BTSは今年6月にメンバー全員が兵役を終える。BLACKPINKは今春、新曲の制作に入り、夏ごろから新しいワールドツアーに突入するものとみられる。
HYBE、SMエンタ、JYPなど大手事務所から今年相次いで新人グループがデビューする点も注目される。
JYPからはボーイズグループの「KickFlip」(キックフリップ)が、SMエンタからは8人組ガールズグループ「Hearts2Hearts」と英国ボーイズグループ「dearALICE」(ディアアリス)がデビューし、メキシコに現地法人を設立したHYBEはラテン市場向けのアーティストを送り出す予定だ。
ただ一部では、アルバム販売枚数に象徴される「量的成長」だけに注力せず、持続可能な社会を実現するための経営を求める声が出ている。
K―POPファンが設立した環境団体「KPOP 4 PLANET」は「ファンたちは芸能事務所がプラスチック汚染を誘発し気候危機を深刻化させる商法を中断し、持続可能な未来のために社会的責任を全うすることを要求している」とし、この日ソウルのHYBE社屋前でイベントを行った。同団体によるとHYBEは66カ国・地域の1万40人による投票の結果、「気候危機を深刻化させた芸能事務所」「業界に前向きな変化をもたらすと期待される芸能事務所」の2部門で1位だったという。
サークルチャートの研究委員はK―POP市場の成長を持続させるためには、熱狂的なファンのほか、一般の人とファンの間の「ライトなファン」層を取り込み、市場自体を拡大しなければならないと指摘した。
聯合ニュース
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