▲2024年12月26日、仁川市弥鄒忽区のアイン病院で、新生児の世話をする看護師。韓国統計庁は同日、2024年10月の出生数が2万1398人で、前年同月比で13.4%増えたと発表した。これは2010年11月以来、約14年ぶりの大幅な増加だ。写真=news 1
2024年は婚姻数と出生数が1年前に比べて増加傾向にある。そうした中、結婚や出産に対する肯定的な認識の低下も底を打ち、増加に転じた。女性のキャリア断絶や子育て費用が負担になることなどを理由に、結婚・出産を先送りしたり、あきらめたりしてきた20-30代の男女の間で、子どものいる家庭を築こうというムードが広がっているのだ。
韓国統計庁が昨年12月26日に発表した社会調査の結果によると、2024年5月..
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▲2024年12月26日、仁川市弥鄒忽区のアイン病院で、新生児の世話をする看護師。韓国統計庁は同日、2024年10月の出生数が2万1398人で、前年同月比で13.4%増えたと発表した。これは2010年11月以来、約14年ぶりの大幅な増加だ。写真=news 1
2024年は婚姻数と出生数が1年前に比べて増加傾向にある。そうした中、結婚や出産に対する肯定的な認識の低下も底を打ち、増加に転じた。女性のキャリア断絶や子育て費用が負担になることなどを理由に、結婚・出産を先送りしたり、あきらめたりしてきた20-30代の男女の間で、子どものいる家庭を築こうというムードが広がっているのだ。
韓国統計庁が昨年12月26日に発表した社会調査の結果によると、2024年5月の調査で、「結婚したら子どもを産むべきだ」という認識に「そう思う」と回答した人の割合は68.3%(「非常にそう思う」23.4%+「ややそう思う」44.9%)で、前回調査が行われた2022年(65.4%)より3ポイント近く上がったという。初めて調査が行われた2018年に69.5%だったこの割合は、2020年(68.1%)と2022年に連続でダウンしたが、2024年に再び上昇したものだ。
専門家らの間では「世界で類例がないほど深刻な少子化問題が解決の兆しをみせている」と評価する声が上がっている。韓国の中央大学社会学科の李秉勲(イ・ビョンフン)名誉教授は「育児休業が自然に受け入れられるなど、社会のムードが家族に優しい方向に変わり、若年層を中心に出産をさらに前向きに考えるようになっている」と話す。2024年の出生数は9年ぶりに増加傾向に転じる可能性が高まっている。統計庁が昨年12月26日に発表した「10月の人口動向」によると、昨年10月の出生数は2万1398人で、1年前より13.4%増えたという。これは、2010年11月(17.5%)以来、ほぼ14年ぶりの大幅な増加だ。2024年1月から10月までの出生数の累計は19万9999人で、1年前(19万6193人)より1.9%増えた。同年末までこの傾向が続けば、2015年以来の年間出生数増加となる。
今年初めに結婚式を挙げる予定の会社員チャンさん(34)は2歳下の交際相手と話し合って子どもを1人産もうと決め、具体的な子育て計画を立てている。チャンさんは「『子育てに関して主に意思決定をするのは妻になるが、実際の子育ては分担する』という大きな枠組みで意見が一致している。肉体的にも経済的にも大変だろうが、お互いに似た子どもを産み、育てることは結婚生活の重要な一部だと思う」と語った。
人口消滅を懸念しなければならないほど少子化問題が深刻な韓国だが、このところ結婚や出産に対する肯定的な認識が広がっている。「お金もたくさんかかるし、職場生活で不利益を被ることもあるから産めない」と言っていた20-30代の男女の間に、「父親と母親が育児休業を調整して取って、家事も分担して、子どもを産んで育てよう」というムードが広がっているのだ。
「結婚したら子どもを産むべきだ」という認識は男女を問わず広がっている。統計庁の調査の結果、男性のこうした認識は2018年の72.5%から2022年には69.7%まで下がったが、2024年に再び72.8%と過去最高を記録した。女性も3人に2人の割合に当たる64.1%がこのように回答し、2022年(61.1%)に比べて3ポイント増えた。
この「結婚したら子どもを産むべきだ」という認識は若年層を中心に大幅に増えている。20代男性におけるこうした認識は2024年に60.3%で、2022年(54.1%)に比べて6ポイント近くアップした。20代女性でも同じ2年間で9.2ポイント(32.6%→41.8%)も高くなっている。30代男性(62.6%→66%)、30代女性(46.1%→49.2%)、40代男性(67.6→68.8%)、50代男性(76%→76.8%)でもこうした認識は増加傾向に転じた。一方、40代女性と50代女性には依然として否定的なムードが残っている。特に、1970年代後半生まれと1980年代前半生まれが主軸の40代女性は、こうした認識が2024年に56.2%で、2022年(57.1%)を下回っており、同調査で4回連続下がっている。50代女性も2024年に70.4%で、2022年(71.3%)よりダウンした。ただし、60歳以上は男性(88.1%)も女性(85.5%)も「子どもを産んで伝統的な家庭を築くべきだ」という考えが2022年より増えている。
■「ワーキングマザー・ワーキングファーザー、今ならできそう」
専門家らは、仕事と家庭の両立を応援する社会のムードが結婚・出産を巡る若年層の認識を前向きに変えた決定的な要因だとみている。高麗大学の金文朝(キム・ムンジョ)名誉教授は「以前に比べ、育児休業が自由に使えるようになるなど、会社員の間で仕事と家庭を両立させようという考え方が広がった」「アプリを使って時間単位で家事代行サービスを利用するようになるなど、家事サービスの発達も影響を及ぼしているだろう」と話す。
先ほどのチャンさんも10年近く付き合った交際相手と結婚を決意し、子育ての計画まで考えるようになった理由として、社会のムードが変わったことを挙げている。チャンさんは「幹部クラスの先輩も育児休業をためらいなく取得するなど、5年前や10年前と比べると、父親の育児を自然に受け入れる文化ができてきたと思う」「私の母も、私の交際相手の仕事について積極的に支持してくれている」と言った。
事実、満8歳以下または小学校2年生以下の子どもを持つ会社員の育児休業取得率は毎年、過去最高を更新している。2023年に子どもが生まれた夫婦のうち、同じ年に育児休業を取得した割合を意味する育児休業取得率は73.2%で、初めて調査が行われた2015年(59.1%)に比べて14%も高くなった。母親の育児休業取得率は32.9%と、8年前(19.1%)の1.7倍に増え、父親は同期間の育児休業取得率が12.3倍(0.6%→7.4%)になった。
■結婚も7カ月連続で増加
国の消滅を防ぐため、政府や自治体が次々と打ち出しているさまざまな結婚奨励策も、最近の出生数増加に一役買っているものとみられる。2023年年3月に結婚し、このほど妊娠が分かったAさん(32)は「新生児特例融資など、政府が打ち出した各種出産支援政策はいつ、どのように変わるか分からないため、予定より早く妊娠しようと急いだ」と語った。婚姻数も増加傾向にある。2024年10月の婚姻数は1万9551組で1年前より22.3%増え、同年4月(24.6%)から7カ月連続で増加傾向を保っている。10月の婚姻数の増加幅は2018年(26%)以来、6年ぶりの伸びとなった。
鄭錫愚(チョン・ソクウ)記者、キム・ヒレ記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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