▲イラスト=UTOIMAGE
死んだ子をどうしても手放すことができず、半月以上も運びながら泳ぎ続けたシャチが、このほど新たに産まれた子も亡くしたことが分かり、人々を悲しませている。今回も子の亡きがらを運んで泳ぐ姿が目撃された。
米非営利団体の鯨類研究センター(CWR)は2日(現地時間)、「メスのシャチ『タレクア』(J35)の子(J61)が死んだことを先月31日に確認した」と発表した。J61はこれまで記録されているタレクアの4..
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死んだ子をどうしても手放すことができず、半月以上も運びながら泳ぎ続けたシャチが、このほど新たに産まれた子も亡くしたことが分かり、人々を悲しませている。今回も子の亡きがらを運んで泳ぐ姿が目撃された。
米非営利団体の鯨類研究センター(CWR)は2日(現地時間)、「メスのシャチ『タレクア』(J35)の子(J61)が死んだことを先月31日に確認した」と発表した。J61はこれまで記録されているタレクアの4番目の子で、先月20日、米ワシントン州ピュージェット湾一帯でタレクアと一緒に目撃されていた。当初から元気のない様子が観察されて懸念されていたが、それからわずか十日余りで死んでいたことが分かったものだ。
タレクアは2018年7月、生まれて数時間後に死んだ子を17日間も運びながら、カナダ・ブリティッシュコロンビア州のバンクーバー島一帯を泳ぎ続けていたシャチだ。タレクアは当時、死んだ子を手放すことができず、亡きがらが沈まないようにずっと水の上に浮かべながら泳いだ。そうした状態でなんと1600キロメートルも移動し、その過程で健康状態が悪化している様子も見せていた。
タレクアはこの時と同様、今回も死んだ子を運びながら泳ぐ姿が目撃された。専門家らは、タレクアが悲しみを自ら癒し、死んだ子を悼むためにこのような行動をしているのだろうと分析している。シャチの間でたびたび目撃される追悼行為だとも解釈されているが、子を亡くした母親シャチのまわりに同じ群れのシャチたちが集まり、慰めるような行動をすることもあるという。
タレクアのような「南部常在性シャチ」はカナダ太平洋沿岸に生息する絶滅危惧種で、昨年の個体数は73頭だ。CWRでは「子が1頭死んだことは、個体数のことを考えても大きな損失だが、J61の死は特に致命的だ。メスのJ61が自身の母系を受け継ぐことができた可能性があっただけでなく、4頭の子のうち2頭を亡くした母親シャチのことを考えると、なおのことだ」と話している。
ムン・ジヨン記者
チョソン・ドットコム/朝鮮日報日本語版
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