▲「済州航空着陸事故」が起こった全羅南道務安郡の務安国際空港滑走路。滑走路上には前日事故機が胴体着陸を行った際の黒い「スキッドマーク」(急ブレーキ時に道路に残る跡)が鮮明に見える。30日撮影。/チャン・リョンソン記者
179人が犠牲になった務安国際空港旅客機事故について、英国の航空安全分野の専門家は「滑走路先に設置された壁との衝突が大惨事の決定的な原因」と指摘した。
航空宇宙を専門に扱うイギリスの週刊誌「フライト・インターナショナル」編集者のデイビッド・リアマウント氏は30日、英スカイニュースとのインタビューで「航空機が壁に激突していなければ乗客は助かった可能性が高い」との見方を示した。リアマウント氏は英空軍..
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▲「済州航空着陸事故」が起こった全羅南道務安郡の務安国際空港滑走路。滑走路上には前日事故機が胴体着陸を行った際の黒い「スキッドマーク」(急ブレーキ時に道路に残る跡)が鮮明に見える。30日撮影。/チャン・リョンソン記者
179人が犠牲になった務安国際空港旅客機事故について、英国の航空安全分野の専門家は「滑走路先に設置された壁との衝突が大惨事の決定的な原因」と指摘した。
航空宇宙を専門に扱うイギリスの週刊誌「フライト・インターナショナル」編集者のデイビッド・リアマウント氏は30日、英スカイニュースとのインタビューで「航空機が壁に激突していなければ乗客は助かった可能性が高い」との見方を示した。リアマウント氏は英空軍でパイロット兼インストラクターを務め、英王立航空学会で最優秀賞を2回受賞した航空分野の権威だ。
リアマウント氏は「状況から考えるとパイロットは非常に素晴らしく航空機を着陸させた」「非常に高速で飛行していたが、地面を滑るように降下した」と説明した。ランディング・ギア(着陸装置)が出ない状態で高速で飛行した事故機は最終的に滑走路の外壁に激突し炎上した。
リアマウント氏は「この種の構造物はあんな場所にあってはならない」「滑走路から200メートル離れた場所に強固な構造物が存在するなど、これまで見たことがない」と指摘した。
国土交通部(省に相当)の関係者は30日のブリーフィングで「滑走路の端からコンクリートの外壁まで251メートルあった。(ローカライザーは)航空機が方位を計器板で確認できるようシグナルを送る方位角施設だ」と説明した。これに対してリアマウント氏は「多くの方位角施設は折りたためる形になっている」と指摘する。
リアマウント氏は「航空機が壁と激突していなければ、柵を突き破って道路を通り過ぎ、隣接する空き地で停まっていたはずだ」とした上で「航空機がスピードを落として停止するのに必要な空間は十分にあった。柵を突き破る際に多少の被害は出ただろうが、それでも乗客は助かったと思う」との見方を示した。
リアマウント氏は「(コンクリート外壁が)その場にあるべき理由はまったくなく、その場にあることは犯罪に近い」「信じられないほどひどい」と指摘した。
また同じく航空専門家のサリー・ケディン氏も外壁の位置に疑問を呈したが、「航空機はスピードを維持しているように見えたので、滑走路先にもっと多くの空間があったとしても、最終的には大事故につながっただろう」との見方を示した。
韓国の専門家も「滑走路先に十分開けた土地など緩衝地帯さえあれば、被害を小さくできたはずだ」と指摘する。又石大学消防防災学科のコン・ハソン教授はTV朝鮮の取材に「緊急着陸を行う場合は通常の着陸よりも約1.5-2倍の走行距離を確保するのが普通だ」と説明した。
上記の国土交通部関係者は「麗水空港や浦項慶州空港などにもコンクリート構造物上に方位角施設が設置されていることがわかった」「方位角施設をどんな土台の上に設置するかは空港ごとに様々なケースがあることを把握している」とした上で「規格化された形態は定まっていない」とコメントした。
イ・ガヨン記者
チョソン・ドットコム/朝鮮日報日本語版
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