日本の福島汚染処理水放流から2日後にちょうど1年を迎える22日、韓国野党・共に民主党は論評で「デマがどうこう言う前に、海を悲惨に崩壊させた日本の核汚染水放流をまずは阻止せよ」と主張した。今の第22代国会がスタートしてから共に民主党が汚染水関連の論評を出すのはこれが初めてだ。「汚染水関連のデマ・扇動政治を謝罪せよ」と訴える与党・国民の力による攻勢への対応だ。
今年に入って共に民主党は福島汚染処理水..
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日本の福島汚染処理水放流から2日後にちょうど1年を迎える22日、韓国野党・共に民主党は論評で「デマがどうこう言う前に、海を悲惨に崩壊させた日本の核汚染水放流をまずは阻止せよ」と主張した。今の第22代国会がスタートしてから共に民主党が汚染水関連の論評を出すのはこれが初めてだ。「汚染水関連のデマ・扇動政治を謝罪せよ」と訴える与党・国民の力による攻勢への対応だ。
今年に入って共に民主党は福島汚染処理水関連への言及を最大限自制してきた。昨年放流が始まった頃には毎日のように「核テロ」「第2の太平洋戦争」などと刺激的な論評を次々と出し、集会やハンストまで行ったが、それが今180度態度が変わっている。その理由について政界では「デマの時効が過ぎたから」との見方が相次いでいる。放流から1年、韓国政府は公海上で18カ所、韓国の領海165カ所で合計4万9833回にわたり放射能検査を実施したが、安全基準を超過したケースは全く報告されなかった。
共に民主党は放流が始まった昨年8月24日の前後2カ月間(7月24日-9月24日)、47回にわたりスポークスマンらによる公式の論評やブリーフィングを行った。週末を除き毎日1回以上ペースでメッセージを出し続けたのだ。同党執行部による会議冒頭の発言、支持者を集めた集会での発言、各議員の個別会見など、全て合わせるとこの期間に共に民主党から出された「汚染水糾弾」の論評や記者会見は数百回に上る。放流当日の8月24日には非常議員総会を開催し、その場で李在明(イ・ジェミョン)代表は「第2次世界大戦当時、日本は銃と刀で太平洋をじゅうりんしたが、今回は放射能で人類全体に脅威を与えている」とまで言ってのけた。
ところが今年に入って共に民主党のスポークスマンなどが行った汚染水関連の論評やブリーフィングはわずか17件だ。これもほとんどが日本関連の話題で複数の事案の一つとして言及したに過ぎなかった。第22代国会がスタートしてからはこの種の論評もブリーフィングも1回もない。22日に国民の力の韓東勲(ハン・ドンフン)代表が「国家に大きな害をもたらすデマ政治を必ず終息させるため、実効性のある対策を取りまとめていきたい」と発言したことを受け、共に民主党はこれに対抗する形でメッセージを出したのだ。
昨年夏に共に民主党は週末ごとに汎(はん)国民大会を開催した。7月1日にソウル市中心部の崇礼門近くで開いた集会では、鄭清来(チョン・チョンレ)議員が「核汚染水を飲んでみて、家族にも勧めてほしい」と述べ、林鍾声(イム・ジョンソン)議員は「うんちを食べることはあっても福島の汚染水は飲めない」とまで発言した。
この集会で李在明代表は「(汚染水を)毎日1リットル、10リットルずつ飲んでも問題ないなどと主張するいかがわしい科学者を政権与党が呼び、これを発表させることこそまさに国民を愚弄(ぐろう)しデマを広める行為だ」と述べた。科学的根拠を提示する専門家を「いかがわしい」と侮辱したのだ。梁李媛瑛(ヤンイ・ウォンヨン)議員は福島原発汚染水放流の安全性を確認した国際原子力機関(IAEA)に対し「IAEAは国連の機関だ」と主張したが、これは間違いだ。
共に民主党はオーストラリア、フィジー、マーシャル諸島など太平洋の島国18カ国の政府に福島汚染水放流問題での連帯を呼びかける書簡を送った。また共に民主党は当時も167議席を持つ巨大野党だったが、それが日本で3議席しか持たない社民党と「国際連帯」を行った。当時来韓した日本社民党の大椿裕子議員は、韓国の国会前で「福島汚染水の海洋投棄反対の断食」を行っていた禹元植(ウ・ウォンシク)議員と面会した。共に民主党の複数の議員は福島原発を運営する東京電力本社を訪問するため日本にまで出向いたが、何の成果も得られず帰国した。
これらの国家的な大騒動により、水産物の安全性検査や消費促進用のさまざまなイベントで過去3年間に1兆5000億ウォン(約1600億円)以上の国の予算が投入された。うち90%以上は水産物消費促進と漁業関係者を支援する経営安定資金だ。デマさえなければ不要な予算だった。また共に民主党は被害を受けた漁業関係者を支援する「福島4法」の党論化を公言していたが、第21代国会ではこれらを成立させなかった。しかも共に民主党が第22代国会で党論として成立を目指す法案リストにも福島4法はない。国民の力の秋慶鎬(チュ·ギョンホ)院内代表は「これまで漁業関係者や取引業者が受けた被害、そして投入された巨額の血税は誰から補償を受けるべきか」と皮肉った。
キム・テジュン記者、李世永(イ・セヨン)記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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