北朝鮮と日本の「合作犯罪」在日朝鮮人帰還事業【萬物相】

2024/08/18 11:35

▲イラスト=李撤元(イ・チョルウォン)

 京都府で生まれた在日2世の17歳の少女は1960年4月、新潟から清津に向かう「帰還船」に一人で乗り込んだ。「北朝鮮は地上の楽園、無料で勉強できる」という朝鮮総連の教師らの言葉を信じ、帰還事業で北朝鮮に渡ることを決心した。引き留める父親の言葉は耳に入らなかった。日本で差別の中で生きるよりも、「平等で発展した」北朝鮮で堂々と生きたかった。

 清津に到着した少女は、数千人の歓迎の人波に胸が熱くなった。船..

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