▲イラスト=朝鮮デザインラボ・Midjourney
北京特派員として現地のインタビューを進めてみると、このごろ韓中は互いについてどれほど冷ややかであるかを体感する。
今年に入って50社以上の中国企業に代表らのインタビューの要請書を送ったが、返事が来たのはわずか2社だった。1社は実務者が出てきて30分間会社のPRを行い、もう1社では「わが社の代表が行う3日間の有料講演を聞け」と要求してきた。インタビュー要請の電子メールを送る中国のアカウントは、何ら..
続き読む
▲イラスト=朝鮮デザインラボ・Midjourney
北京特派員として現地のインタビューを進めてみると、このごろ韓中は互いについてどれほど冷ややかであるかを体感する。
今年に入って50社以上の中国企業に代表らのインタビューの要請書を送ったが、返事が来たのはわずか2社だった。1社は実務者が出てきて30分間会社のPRを行い、もう1社では「わが社の代表が行う3日間の有料講演を聞け」と要求してきた。インタビュー要請の電子メールを送る中国のアカウントは、何らかの理由で使用禁止になった。7月には、1年かけて実現したインタビューがわずか2日前にキャンセルされるという事件もあった。韓国メディアに載る中国の有名人のインタビューは、「偶然の出会い」か「懇切な説得」、「高価な食事」の結果物である場合が多い。
しかも、韓国の読者が知っているような中国の人物といえば習近平国家主席やアリババ創業者の馬雲氏くらいで、あとは「聞いたことも見たこともない人」扱いされる。一方で中国の名士は、ブルームバーグやCNNテレビなどのインタビューには応じつつも、韓国メディアには目もくれない。
最近、北京を訪問する韓国の人物と中国の文化・芸術界の名士たちの対面をサポートしたことがあった。韓中親善が目的だったからだ。有名画家・俳優、展示プランナー、ファッション誌・芸能プロダクションの代表などを一堂に集めるため、かなり大勢の人物に連絡を取ったが、受諾した人は20%くらいだった。しかも、良好ではない韓中関係のせいなのか、双方とも反応は冷たかった。中国側の人物は「別に会わなくてもいいが、この記者の顔を見て出席するつもり」と語った。韓中双方とも「恩を施してやる」という態度で出てきたから、その席で負担を引き受けることになったのは、架け橋の役をする筆者だけだった。
韓国は中国に関心がなく、中国は韓国のことをなんとも思っていない。政治・経済・文化などあらゆる分野でこうした基調が現れている。互いに対面すれば顔を真っ赤にすることばかり増え、手にする利益は少ないという認識が、いつの間にか両国に根を下ろした。韓中を行き来してビジネスをする中国企業の韓国事業担当者は「韓中関係は『愛憎』と『離婚(THAAD〈高高度防衛ミサイル〉問題)』のプロセスを経て『無関心』の段階にまで到達した」と語った。
韓国と中国が互いを「特別待遇」していた時期が過ぎ去ったのには、当然の側面がある。米中競争の中で韓中の政治・外交の差異が浮き彫りになり、経済は相互補完構造から競争関係へと変わっていき、青年層の文化的な共感も薄れた。2016年のTHAAD問題、20年のコロナ拡散、昨年の韓米日協力強化と中ロ密着は、韓中両国の関係に厚い氷の壁を築いた。
しかし、韓中関係の断絶を避けるべき、ということには皆が共感している。韓国としては、対北交渉力を高め、経済安定の維持のために中国と手を組まねばならず、中国側は、米中競争の中で深まる孤立を避け、産業協力の利点を享受するために韓国と手を組まねばならない。だから、今のような状況でも、韓中をつなぐ努力を中断してはならない。韓中交流のコストがこれ以上高価なものになってはならない、という意味だ。
北京=李伐飡(イ・ボルチャン)特派員
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
Copyright (c) Chosunonline.com