LG電子が水ぶき機能を搭載したオールインワン(一体型)ロボット掃除機を近く発売する。同製品はLG電子が単独で開発したものではない。LG電子と中国・深セン市にある受託生産メーカー、銀星智能集団(シルバースターグループ)が共同で技術開発と設計を進めた。最終生産は銀星が担当する。いわゆるJDM(Joint Developing Manufacturing=合弁による開発・生産)方式だ。LG電子関係者は..
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LG電子が水ぶき機能を搭載したオールインワン(一体型)ロボット掃除機を近く発売する。同製品はLG電子が単独で開発したものではない。LG電子と中国・深セン市にある受託生産メーカー、銀星智能集団(シルバースターグループ)が共同で技術開発と設計を進めた。最終生産は銀星が担当する。いわゆるJDM(Joint Developing Manufacturing=合弁による開発・生産)方式だ。LG電子関係者は「ロボット掃除機の開発・生産に特化した専門メーカーの能力とLG電子の品質基準、デザイン、デジタル技術を結合して製品を開発した。性能と価格で競争力を確保するための戦略だ」と話した。
■OEMからODM、JDMに進化
電子製品の生産方式がますます多様化している。ブランドを持つ発注元企業が企画・開発した製品の生産を単純に委託するOEM(相手先ブランドによる生産)から、生産業者が自ら技術開発からデザイン、生産までを主導的に行うODM(相手先ブランドによる設計・製造)を経て、発注元とメーカーが共同で技術開発をを行うJDM方式に進化している。こうした多様な生産委託は以前は主に非主力・中低価格製品に限られていたが、最近はプレミアム製品群にも積極的に導入されている。
OEM方式で生産される代表的な電子製品はアップルのiPhoneだ。生産施設を持たないアップルは、世界最大の電子製品受託生産業者である鴻海科技集団(フォックスコン)や和碩聯合科技(ペガトロン)などにiPhoneの生産を委託している。OEMには工場設備がなくても生産が可能でコスト削減につながるという確かな長所がある。
サムスン電子とLG電子が過去に主に採用していた方式はODMだ。韓国や中国の中小企業が製品開発から生産までを全て担当し、大企業に納品する。大企業は品質検査などを行い、自社ブランドを付けて販売する。家電製品では電子レンジ、空気清浄機、食器洗浄機、電磁調理器など一部の非主力・中低価格商品が中韓のODM業者から供給されている。
サムスン電子がインド、ブラジルなど新興市場向けに発売する中低価格スマートフォンのギャラクシーAシリーズも代表的なODM製品だ。サムスン電子のスマートフォン事業部はギャラクシーSシリーズと折りたたみスマートフォンは自社で生産するが、2019年からギャラクシーAシリーズの一部商品にODM方式を導入した。中国の聞泰科技(ウイングテック)、華勤技術、竜旗科技(ロングチア)がサムスン電子の3大ODM業者に挙げられる。聞泰科技は今年、サムスン電子から4000万台以上を受注した。サムスン電子のスマートフォンODM比率は2019年の7%から現在は30%近くにまで上昇したとされる。
最近企業が注目している生産方式がJDMだ。ODMとの違いは、発注元のブランド企業が製品の開発段階から参加することだ。単純に商品の納入を受け、品質検査程度しか行わないODMとは異なり、開発の初期段階からエンジニアが直接現地に派遣され、共同開発に参加する。特にサムスン電子とLG電子は自社の家電プラットフォームと厳格なデザイン基準を持っており、ソフトウエアやデザインの面での交流も欠かせない。サムスン電子のギャラクシーAシリーズの一部商品もかつてはODM方式だったが、最近はJDM方式に変更した。サムスン電子関係者は「スマートフォンの主要性能設計とカメラモジュール、半導体基板など重要部品の調達にサムスン電子の開発者が直接加わっている」と説明した。
■生産効率化…「ブランドだけ付け替え」と批判も
電子メーカーが生産方式を多角化するのは、コストと時間の両面で効率的だからだ。技術力のある企業から商品の供給を受ければ、商品開発にかかるコストと時間を画期的に削減できる。世界で首位の座を争うサムスン電子とLG電子の家電事業は低価格商品で急速にシェアを高める中国企業などに押され、営業利益をいかに伸ばすかが課題だ。そうした状況でJDMは中国企業の追撃をかわす対応策になり得る。ライバル企業が新商品を発売して人気を集めた場合でも、ODM方式で生産し、早期に市場に参入できるのがメリットだ。
ただ、消費者からは中国製品に韓国の大手企業の商標を付けているだけではないかとの声も出ている。インターネット上ではサムスン電子とLG電子のJDM商品リストが拡散した。業界関係者は「JDMは両メーカーのガイドラインを全て満たさなければならない点でむしろ品質管理がしっかり行われる。特に最近の生産専門業者はかなりの技術力を持っており、信頼して生産を任せられる」と話した。
イ・ヘイン記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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