▲グラフィック=イ·チョルウォン
ワイヤレス掃除機、羽なし扇風機など革新的な家電製品を開発してきたダイソンが、英国で従業員の3分の1近くを削減することを決めた。ダイソンを模倣しながらも価格が安い中国製品「チャイソン(チャイナとダイソンの造語)」が中国だけでなく全世界の市場に食い込み、ダイソンを危機に追い込んだと分析されている。中国製家電はロボット掃除機など一部品目で「コストパフォーマンス製品」のみならず、ハイエンド(高価格)市場..
続き読む
▲グラフィック=イ·チョルウォン
ワイヤレス掃除機、羽なし扇風機など革新的な家電製品を開発してきたダイソンが、英国で従業員の3分の1近くを削減することを決めた。ダイソンを模倣しながらも価格が安い中国製品「チャイソン(チャイナとダイソンの造語)」が中国だけでなく全世界の市場に食い込み、ダイソンを危機に追い込んだと分析されている。中国製家電はロボット掃除機など一部品目で「コストパフォーマンス製品」のみならず、ハイエンド(高価格)市場まで掌握している。
英フィナンシャル・タイムズ(FT)などは、ダイソンが英国で従業員の約3分の1に相当する約1000人を削減すると報じた。今回の人員削減はそれにとどまらず、全世界1万5000人を対象にする人員再編の一環だ。
■似た性能で価格は3分の1
海外メディアはダイソンによる人員削減の理由として「チャイソン」を挙げた。FTはダイソンにとって最大の市場はアジアだと指摘した上で、「そこでダイソンは自分たちが作った商品の発売直後、似たような商品を生産する現地企業と競争することになる」と指摘した。ハンノ・キルナー最高経営責任者(CEO)は「ダイソンは革新と変化のペースがますます速まる競争が激しいグローバル市場で事業を展開している。雇用縮小は常に非常に苦しい決断だ」と説明した。
ダイソンは2013年、中国市場に進出後、現地市場を席巻した。中国紙・人民日報によると、ダイソンのワイヤレス掃除機は2018年にシェアが61%まで高まった。しかし、ダイソン製品を模倣した中国製の低価格掃除機を買い求める人が増えた。ダイソン製品より性能が劣っても価格が10分の1にすぎないため、中国だけでなく、韓国でも海外通販で中国製品を選ぶ消費者が増えた。
価格比較サイト「タナワ」によれば、現在韓国で最も売れ筋のダイソン製品「サイクロンV10」は最低価格が約40万ウォン(約4万6000円)。この製品と形状が似ている中国・ディベア(Dibea・蘇州地貝電器科技)の製品(TSX-25000A)は17万ウォン、シャオミ(小米)のM22は15万ウォンだ。模倣品はコードレス掃除機だけではない。最低価格65万ウォンのダイソン「エアラップ」を模倣したような製品は最低価格2万ウォンで売られている。
■中国ロボロック、ハイエンド市場でシェア80%
最近中国製品は価格だけでなく性能でも高い評価を受ける製品が増えている。電子業界関係者は「5~6年前までは検証を欠く製品を発売していたため性能が劣ったが、現在は性能でも中国企業が高いレベルで平準化された」と話す。
ロボット掃除機市場は中国企業が席巻している。タナワによると、韓国のロボット掃除機市場のシェア(販売量ベース)は中国のロボロック(北京石頭世紀科技)が20.1%で首位。シャオミが17.7%で2位だった。LG電子(17.7%)、サムスン電子(15.5%)に続き、中国のエコバックス(科沃斯・10.8%)が4位に入った。150万ウォン以上のハイエンドクラスのロボット掃除機市場では、ロボロックのシェアが80%前後に達する。
価格184万ウォンのロボロック「S8マックスVウルトラ」はサムスンの「ビスポークAIスチーム」より価格が5万ウォン高く、清掃時間、ほこりの吸入容量など一部の性能で優れている。昨年6月、エコバックスが発売した「ディーボットT20オムニ」は出荷価格が159万ウォンと高価だったが、水ぶき洗浄機能と掃除中にカーペットを感知すると自動的に水ぶきを中断する機能などを搭載し、消費者に選ばれた。中国製品の性能が優れているため、韓国消費者の間では、古典小説に登場する孝行娘・沈清(シム・チョン)より優れているという意味で「孝行娘ロチョン(ロボット掃除機と沈清の合成語)」という新語まで誕生した。
2022年に韓国消費者院が実施したワイヤレス掃除機の性能テストで、当時90万ウォンで販売されていたダイソンの「SV17」は、最大で連続使用時間が15分、充電時間は4時間6分だった。これに対し、当時18万ウォンで販売されていたディベアのワイヤレス掃除機も最大で連続使用時間が15分、充電時間は4時間36分で性能に大差はなかった。50万ウォン台で売られている日本のバルミューダの扇風機とデザインが似ているシャオミの扇風機は価格は5分の1で、重さも0.5キログラム軽い。
ユン・ジンホ記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
Copyright (c) Chosunonline.com