▲写真=UTOIMAGE
中国南部で行われた軍隊式のトレーニングキャンプで、子どもの頭を無理やり水中に沈めるなどの過酷な訓練が行われていたことが分かり、児童虐待ではないかと論議を呼んでいる。香港紙サウス・チャイナ・モーニング・ポストが1日、報じた。このトレーニングは一部で「悪魔の訓練」と呼ばれているという。
インターネット上で公開された動画を見ると、11歳の子どもが後ろ手に縛られた状態で泳ぐ様子が映っている。子どもがバタ..
続き読む
▲写真=UTOIMAGE
中国南部で行われた軍隊式のトレーニングキャンプで、子どもの頭を無理やり水中に沈めるなどの過酷な訓練が行われていたことが分かり、児童虐待ではないかと論議を呼んでいる。香港紙サウス・チャイナ・モーニング・ポストが1日、報じた。このトレーニングは一部で「悪魔の訓練」と呼ばれているという。
インターネット上で公開された動画を見ると、11歳の子どもが後ろ手に縛られた状態で泳ぐ様子が映っている。子どもがバタバタとぎこちない様子で泳ぐと、軍人の帽子をかぶった男性が「もっと速く、もっと速く」と叫び、子どもの衣服の端をつかんで子どもの頭を水の中に沈めたり引き上げたりした。動画は昨年6月に撮影されたものだ。
このキャンプは2018年から毎年開催されて500-600人の子どもが参加しており、費用は参加日数によって2000-7000元(約4万4500-15万5600円)だという。
騒動が拡大すると、キャンプの担当者は「多くの子どもたちが水に入るのを怖がっており、動画の中の子どもはやや消極的な態度だった」と現地メディアに語った。さらに「この訓練は、訓練生が心理的な壁を克服して泳げるようになるのを後押しするものだ」と話した。
キャンプ側は「かけっこ、洗濯、母への感謝などを教えている。保護者たちは子どもをキャンプに参加させることで、たくましさや強い意志、良い生活習慣などを身に着けてほしいと思っている」と説明した。
子どもたちの安全にも気を配っていると強調した。キャンプ側によると、プールは深さ90センチで、溺れたり窒息したりする危険はないという。また、常にプールを消毒してきれいな水をためており、親が様子を見られるよう全ての訓練がリアルタイムで配信されていると説明した。
しかし、中国の心理治療士は同メディアに「このようなやり方ではかえって、子どもたちの心に傷が残る恐れがある」「子どもが挫折やストレスに弱い場合、こうしたアプローチでは回復できず、むしろ逆効果になりかねない」と説明した。
この動画について、中国のネットではさまざまな反応が見られた。一部では「これは純粋に子どもに対する拷問」と否定的な反応が見られたが、「子どもたちがちゃんと育つためには苦労も必要だ」とこの訓練を支持する声もあった。
こうしたキャンプは以前から中国で続いていたが、頻繁に騒動になっていた。2018年には山東省の軍事訓練学校で、13歳の少年が職員に制圧されて窒息死した。17年には、湖北省の学校で生徒たちが重い荷物を持って働き、暖房のない倉庫の床で寝るなどの「成人儀式」の伝統が27年間続いてきたことが分かり、非難された。
チョン・アイム記者
チョソン・ドットコム/朝鮮日報日本語版
Copyright (c) Chosunonline.com